この記事の対象:コンベヤーのある食品工場・製造ライン・物流倉庫に特定技能外国人を配置する企業の人事・労務・安全衛生担当者

逸走等防止装置と非常停止装置を備える

コンベヤーは、荷や搬器が勝手に動き出さない装置と、非常時に止める装置を備えたものを使います。

労働安全衛生規則第151条の77は、コンベヤーについて、停電や電圧降下による荷または搬器の逸走と逆走を防ぐ装置(逸走等防止装置)を備えたものでなければ使用してはならないと定めています。専ら水平の状態で使うなど、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは除かれます。フローコンベヤー、スクリューコンベヤー、流体コンベヤー、空気スライドは、この条でいうコンベヤーから除かれ、以下の各条でも同じ扱いです。

第151条の78は、身体の一部が巻き込まれるなど労働者に危険が生ずるおそれのあるコンベヤーに、非常の場合に直ちに運転を停止できる装置(非常停止装置)を備えることを求めています。

荷の落下防止と、トロリーコンベヤーの接続

荷が落ちて人に当たらないようにすることと、吊り下げ式で部品が外れないことを、条文は別々に定めています。

第151条の79は、コンベヤーから荷が落下して労働者に危険を及ぼすおそれがあるとき、そのコンベヤーに覆いまたは囲いを設けるなど、荷の落下を防ぐ措置を講じることを求めています。

第151条の80は、トロリーコンベヤーについて、トロリーとチェーンおよびハンガーが容易に外れないよう、相互に確実に接続されているものでなければ使用してはならないと定めています。

運転中のコンベヤーに乗らない

作業中の人をコンベヤーに乗せることは、原則として禁止されています。

第151条の81第1項は、コンベヤーを使用する作業場で、作業に従事する人を運転中のコンベヤーに乗せてはならないと定めています。人を運ぶ構造のコンベヤーで、墜落や接触の危険を防ぐ措置を講じた場合は除かれます。

第2項は、その作業場で作業に従事する人自身も、同じ除外の場合を除き、運転中のコンベヤーに乗ってはならないと定めています。事業者の義務だけでなく、作業者側の禁止も条文にあります。

その日の作業を始める前に4項目を点検する

点検は、日々の作業開始前に行うものとして定められています。

第151条の82は、コンベヤーを用いて作業を行うとき、その日の作業を開始する前に、条文の4項目を点検することを求めています。点検の対象は、原動機とプーリーの機能、逸走等防止装置の機能、非常停止装置の機能、原動機・回転軸・歯車・プーリー等の覆いや囲い等の異常の有無です。

この4項目のうち、第2号と第3号は、第151条の77と第151条の78で備えることを求めている装置が、実際に働くかを確かめる点検です。装置を備えるだけでなく、毎日の作業の前に機能を確かめる、という二段の構成になっています。

コンベヤーの始業前点検の項目(労働安全衛生規則第151条の82)
号点検する事項
第1号原動機およびプーリーの機能
第2号逸走等防止装置の機能
第3号非常停止装置の機能
第4号原動機、回転軸、歯車、プーリー等の覆い、囲い等の異常の有無
  • 逸走等防止装置を備えている(専ら水平で使うなど危険のないときを除く)
  • 危険のあるコンベヤーに非常停止装置を備えている
  • 荷が落ちるおそれのあるコンベヤーに覆いや囲いを設けている
  • 運転中のコンベヤーに作業者を乗せない、作業者自身も乗らない
  • その日の作業開始前に4項目を点検している

よくある質問

すべてのコンベヤーに逸走等防止装置が必要ですか?

フローコンベヤー、スクリューコンベヤー、流体コンベヤー、空気スライドは、第151条の77で「コンベヤー」から除かれ、以下の各条でも同じ扱いです。また、専ら水平の状態で使うときなど労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、ただし書きで除かれます。個別の設備が該当するかは、労働基準監督署などに確認してください。

非常停止装置は、必ず設けるのですか?

第151条の78は、身体の一部が巻き込まれるなど労働者に危険が生ずるおそれのあるコンベヤーに、非常停止装置を備えることを求めています。危険のおそれの有無は設備の状況で変わります。

点検は、毎日必要ですか?

第151条の82は、コンベヤーを用いて作業を行うとき、その日の作業を開始する前に4項目を点検するよう求めています。作業を行う日ごとの点検です。

参照した公的一次資料

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