この記事の対象:特定技能外国人を雇う企業の人事・労務担当者、外国人労働者就労環境整備助成の申請を検討する事業主
指針第六:常時10人以上の雇用で、人事課長等を雇用労務責任者に選任する
厚生労働省の指針は、外国人労働者が一定数以上いる事業主に、雇用管理の責任者を置くよう求めています。
厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年告示第276号)に、第六という章があります。第六は、外国人労働者を常時10人以上雇用する事業主に、人事課長等を雇用労務責任者として選任するよう定めています。
選任の目的は、指針の第四に定める事項等を管理させることです。雇用労務責任者は、外国人労働者の雇用管理に関する責任者のことをいいます。
指針の「外国人労働者」には、日本国籍を持たない労働者が入ります。特別永住者と、在留資格が「外交」「公用」の人は除かれ、技能実習生は含まれます。特定技能外国人も、この定義の外国人労働者に当たります。
指針の第六の文言は「選任すること」です。常時10人に満たない事業所に、この選任を求める文言は第六にはありません。自社の人数がどちらに当たるかの判断に迷う場合は、管轄の都道府県労働局またはハローワークに確認します。
雇用労務責任者が管理する事項:指針第四の七つの区分
管理する対象は、指針の第四に定める事項等です。募集から解雇まで、雇用管理の全体にまたがります。
第六は、第四に定める事項を管理させるために責任者を置くという書き方です。第四は、事業主が講ずべき措置を七つの区分に分けて定めています。
一人の担当者が全てを自分で実施するという意味ではなく、各区分の措置が会社の中で行われているかを管理する役割です。区分ごとの詳しい内容は、章立てを整理したガイドで確認できます。
第四から第八までの各章と、このサイトの対応するガイドは、外国人雇用管理指針の項目一覧で確認できます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一 | 外国人労働者の募集及び採用の適正化 |
| 二 | 適正な労働条件の確保(均等待遇、労働条件の明示など) |
| 三 | 安全衛生の確保 |
| 四 | 労働・社会保険の適用等 |
| 五 | 適切な人事管理、教育訓練、福利厚生等 |
| 六 | 解雇等の予防及び再就職の援助 |
| 七 | 労働者派遣又は請負を行う事業主に係る留意事項 |
助成金の選任の条件:事業所ごと・掲示・3か月ごとの面談・講習の受講
外国人労働者就労環境整備助成コースでは、雇用労務責任者の選任に、指針よりも具体的な条件が付いています。
ガイドブック(令和8年10月1日現在)によると、助成金の対象になる選任は、次の4つを全て満たす必要があります。助成金の「外国人労働者」は、外国人雇用状況届出の対象で、事業主と直接の労働契約があり、雇用保険の被保険者である人です。
責任者になれるのは、その事業所で雇用されている労働者です。専任は不要で、外国人雇用管理業務を担当する人事課長等が兼ねても構わず、国籍や就労年数の基準もありません。適当な人がいない事業所では事業主か役員がなれますが、同じ人が複数の事業所の責任者を兼ねることはできません。
支給額(20万円・25万円)と計画の流れは、外国人労働者就労環境整備助成のガイドで確認できます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 事業所ごとの選任と周知 | 外国人労働者が働く事業所ごとに選任し、氏名と苦情・相談に応じることを、見やすい場所への掲示や社内メール等で周知する |
| 3か月ごとの面談 | 計画期間の初日から離職率算定期間の末日まで、全ての外国人労働者と3か月ごとに1回以上面談(テレビ電話可)し、結果を書面にする |
| 相談先の周知 | 労働に関する法令の違反を受けた場合に相談できる関係行政機関(労働基準監督署等)の案内を周知する |
| 講習の受講 | 全ての雇用労務責任者が外国人労働者雇用労務責任者講習を、就労環境整備計画期間の末日までに受講する |
外国人労働者雇用労務責任者講習:オンライン・受講無料・約3時間30分
講習は厚生労働省の委託事業で、受講料は無料です。選任済みの人だけでなく、これから選任する予定の人も受けられます。
講習の案内サイトによると、受講対象は、雇用労務責任者として選任されている人と選任される予定の人、外国人労働者を雇用する事業所(雇用を予定している事業所を含む)の事業主、人事・労務等の担当者です。雇用する外国人労働者が常時10人に満たない事業所の人も受講できます。
講習日程の表にある回は全てオンライン開催で(案内サイトには、別に対面講習の案内が出ることもあります)、1日に午前(9:30〜13:30)と午後(13:30〜17:30)の2回あります。受講時間は約3時間30分で、外国人雇用のルール、労働関係法令・社会保険関係法令の知識、異文化理解とコミュニケーションの配慮が講義の柱です。
申込みは1名ずつで、代表者による複数名の一括申込みは受け付けていません。講義動画の視聴、確認テスト、受講後アンケートまでを開催時間内に終えると、受講証明書をダウンロードできます。受講証明書は後日の再発行ができないため、開催時間中に保存します。
案内サイトには、令和8年10月9日付けで、12月までの講習日程の受付を終了したというお知らせが出ています。1月以降の日程は、決定次第の案内とされています。助成金の計画期間の末日までに受講する必要があるため、日程は案内サイトで最新を確認します。
よくある質問
雇用労務責任者は、外国人労働者が何人いれば選任しますか?
厚生労働省の指針の第六は、外国人労働者を常時10人以上雇用するときに、人事課長等を雇用労務責任者として「選任すること」と定めています。10人に満たない事業所への選任を求める文言は、第六にはありません。
雇用労務責任者は専任でなければいけませんか?
助成金のガイドブックでは、専任の者を置く必要はなく、外国人雇用管理業務を担当する人事課長等が兼任しても差し支えないとされています。国籍や就労年数の基準もありません。
雇用労務責任者講習の受講料はかかりますか?
講習の案内サイトによると、受講料は無料です。キャンセルの費用もかかりません。オンライン開催で、受講時間は約3時間30分です。
講習を受けると何がもらえますか?
講義動画の視聴、確認テスト、受講後アンケートを開催時間内に終えると、受講証明書のPDFをダウンロードできます。後日の再発行はできません。
参照した公的一次資料
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年告示第276号)(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年2月18日)
- 厚生労働省「外国人雇用対策」(外国人雇用管理指針の掲載ページ)(確認日:2026年10月14日、次回確認:2027年2月19日)
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)ガイドブック(令和8年10月1日現在)」(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 厚生労働省 外国人労働者雇用労務責任者講習(オンライン講習の案内サイト)(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)