この記事の対象:特定技能外国人を雇用している、または雇用を予定している企業の人事・労務担当者
雇用義務:法定雇用障害者数の計算
事業主は、雇用する対象障害者の数が、雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じた数(法定雇用障害者数)以上であるようにしなければなりません(障害者雇用促進法第43条第1項)。
障害者雇用率は、施行令第9条が100分の2.7と定めています。計算した数に1人未満の端数があるときは、切り捨てます。
たとえば労働者が100人なら2.7人で、法定雇用障害者数は2人です。労働者が200人なら5.4人で、5人です。
対象となる事業主は、常時雇用する労働者を雇用する事業主です(国と地方公共団体を除く)。条文は「常時雇用する労働者」と定めるだけで、国籍による区別を置いていません。
対象障害者は、身体障害者、知的障害者、または精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者に限る)です(同法第37条第2項)。労働者が対象障害者であるかの確認は、厚生労働省令で定める書類で行います(同法第43条第9項)。
数え方:短時間労働者と重度障害者
雇用する労働者の数と、対象障害者の数は、短時間労働者や重度障害者について、条文が数え方を定めています。
短時間労働者は、週の所定労働時間が通常の労働者より短く、かつ厚生労働大臣の定める時間数未満の常時雇用する労働者です(法第43条第3項)。労働者の数を数えるときは、短時間労働者1人を0.5人として数えます(同条第8項、施行規則第6条)。
対象障害者の数を数えるときも、短時間労働者である対象障害者1人は0.5人です(法第43条第3項、施行規則第6条)。重度身体障害者または重度知的障害者の労働者(短時間労働者を除く)は、1人を2人として数えます(同条第4項、施行令第10条)。
重度身体障害者または重度知的障害者である短時間労働者は、1人を1人として数えます(法第43条第5項、施行規則第6条の2)。
| 区分 | 数え方 | 条文 |
|---|---|---|
| 労働者(短時間労働者を除く) | 1人を1人 | 法第43条第1項 |
| 労働者である短時間労働者 | 1人を0.5人 | 法第43条第8項、施行規則第6条 |
| 対象障害者である短時間労働者(重度を除く) | 1人を0.5人 | 法第43条第3項、施行規則第6条 |
| 重度身体障害者・重度知的障害者(短時間労働者を除く) | 1人を2人 | 法第43条第4項、施行令第10条 |
| 重度身体障害者・重度知的障害者である短時間労働者 | 1人を1人 | 法第43条第5項、施行規則第6条の2 |
毎年の報告:6月1日現在、翌月15日まで
雇用する労働者の数が37.5人以上の事業主は、毎年、対象障害者の雇用に関する状況をハローワークに報告します(法第43条第7項、施行規則第7条・第8条)。
報告は、毎年6月1日現在の状況を、翌月の15日(7月15日)までに、厚生労働大臣の定める様式で、主たる事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に行います(施行規則第8条)。
民間企業の障害者雇用率は、令和8年7月1日から2.5%に代わって2.7%になっています。厚生労働省の案内では、従業員37.5人以上の事業主は障害者を1人以上雇用する義務があり、毎年6月1日現在の状況を7月15日までに報告します。
報告義務のある事業主の下限は、施行規則第7条が37.5人(令別表第二に掲げる法人は33.5人)と定めています。この人数は、短時間労働者を0.5人として数えた労働者の数に当てはめます。
法定雇用障害者数に足りないとき
雇用する対象障害者の数が法定雇用障害者数に足りないとき、厚生労働大臣は、雇入れに関する計画の作成を命じることができます(法第46条第1項)。
計画を作成した事業主は、厚生労働大臣に提出します(法第46条第4項)。厚生労働大臣は、計画が著しく不適当であると認めるときは変更を勧告でき、特に必要があるときは計画の適正な実施について勧告できます(同条第5項・第6項)。
このほか、事業主は障害者雇用納付金を納付する義務を負うとされています(法第53条第2項)。納付金の額の計算は法第54条と施行令に定めがあり、対象となる規模や読み替えは条文で確認してください。
個別の事業主が法定雇用障害者数に足りているか、報告の対象かは、所轄のハローワークで確認してください。
- 常時雇用する労働者の数を、短時間労働者0.5人で数えて把握している
- 労働者の数に2.7%を乗じ、端数を切り捨てた法定雇用障害者数を計算している
- 対象障害者の数を、重度・短時間の数え方で計算している
- 37.5人以上の場合、6月1日現在の状況を7月15日までにハローワークへ報告する段取りがある
よくある質問
障害者雇用率はいくつですか?
障害者の雇用の促進等に関する法律施行令第9条が、100分の2.7と定めています。労働者の数に2.7%を乗じ、1人未満の端数を切り捨てた数が、法定雇用障害者数です。
毎年の報告はいつまでですか?
毎年6月1日現在の状況を、翌月の15日までに、主たる事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に報告します。報告の対象は、労働者の数が37.5人以上の事業主です。
短時間労働者はどう数えますか?
労働者の数を数えるときは、短時間労働者1人を0.5人として数えます。対象障害者である短時間労働者も、重度を除き0.5人です。
特定技能外国人もこの制度に関係しますか?
法第43条は「常時雇用する労働者」と定めるだけで、国籍による区別を置いていません。自社の労働者の数に含まれるかは、雇用の形態に応じて条文で確認してください。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律」(確認日:2026年10月19日、次回確認:2027年1月19日)
- e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律施行令」(確認日:2026年10月19日、次回確認:2027年1月19日)
- e-Gov法令検索「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則」(確認日:2026年10月19日、次回確認:2027年1月19日)
- 厚生労働省「事業主の方へ(障害者雇用のルール)」(確認日:2026年10月19日、次回確認:2027年1月19日)