この記事の対象:特定技能外国人の勤務時間を管理する受入れ企業の担当者、派遣先の担当者

第7条は、公民としての権利を行使する時間の請求を拒まない義務

労働基準法第7条は、使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合、拒んではならないと定めています。

第7条は「労働者」を対象とし、国籍による区別を設けていません。特定技能外国人にも、日本人の労働者と同じ規定がそのまま当てはまります。

違反した場合の罰則は、第119条第1号により、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。第7条は、第119条第1号に列挙されています。

第7条の条文の構成(e-Gov法令検索)
要素条文の内容
いつ労働者の労働時間中
何のための時間か選挙権その他公民としての権利を行使するため、または公の職務を執行するため
使用者の義務労働者が必要な時間を請求した場合には、拒んではならない
ただし書権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる

拒めないのは「時間」で、請求された「時刻」は変更できる場合がある

第7条のただし書は、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、使用者が請求された時刻を変更することができると定めています。

拒めないのは、必要な時間の請求そのものです。時刻の変更は、権利の行使や公の職務の執行に妨げがない場合に限って認められます。

どの時刻に変更すれば妨げがないといえるかは、権利や職務の内容で変わります。個別の事案は、労働基準監督署などに確認してください。

その時間の賃金は、第7条には書かれていない

第7条は、請求された時間を与えることを使用者に求めていますが、その時間の賃金を支払うかどうかは、条文に書かれていません。

支払うかどうかの扱いは、雇用契約書や就業規則にどう書いてあるかを確認します。条文からは判断できないため、個別の扱いは社会保険労務士などの専門家に確認してください。

請求の受け付け方や手続きを社内で決めておくときも、第7条が拒むことを禁じている点は変えられません。

年次有給休暇の請求の扱いは、特定技能外国人の有給休暇の請求への対応で確認できます。

派遣中の労働者の第7条は、派遣先の事業について適用される

労働者派遣法第44条第2項は、派遣中の労働者の派遣就業に関して、派遣先の事業のみを、派遣中の労働者を使用する事業とみなして、労働基準法第7条などを適用すると定めています。

対象になる労働基準法の条は、第7条のほか、労働時間(第32条)、休憩(第34条)、休日(第35条)などです。派遣中の労働者の労働時間の管理は、派遣先の事業について適用されます。

派遣形態の特定技能外国人から、労働時間中の公民権行使の時間の請求を受けるのは、派遣先の側にも関わります。派遣元と派遣先の役割分担は、別のガイドで条文ごとに整理しています。

第44条の全体は、労働者派遣での労働基準法の責任分担で確認できます。

受入れ企業が点検する項目

条文に照らして点検できるのは、請求を一律に断る運用になっていないか、時刻の変更が条文のただし書の範囲に収まっているかの2点です。

労働基準法第104条第1項は、事業場にこの法律に違反する事実がある場合、労働者がその事実を労働基準監督官などに申告できると定めています。同条第2項は、申告したことを理由とした解雇その他の不利益な取扱いを禁じています。

点検は条文に照らした自己確認です。個別の事案が違反に当たるかどうかの判断は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家に確認してください。

国籍を理由とする差別の禁止は、国籍を理由とする差別の禁止:労働基準法第3条と基準省令の違いで確認できます。

  • 労働時間中の公民権行使の時間の請求を、一律に断る社内の取り決めがないか
  • 時刻を変更するときに、権利の行使や公の職務の執行に妨げがないか確認しているか
  • 請求の扱い(賃金の支払の有無を含む)を、就業規則や雇用契約書で確認したか
  • 請求したことを理由に、不利益な取扱いをしていないか

よくある質問

労働基準法第7条は、何を使用者に求めていますか?

労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合に、拒まないことです。違反には、第119条第1号により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。

請求された時刻を変更することはできますか?

第7条のただし書は、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができると定めています。

その時間は有給にしなければなりませんか?

第7条には、その時間の賃金を支払うかどうかは書かれていません。雇用契約書や就業規則の定めを確認し、個別の扱いは専門家に確認してください。

派遣中の特定技能外国人にも第7条は適用されますか?

労働者派遣法第44条第2項により、派遣中の労働者の派遣就業に関しては、派遣先の事業について第7条などが適用されます。

参照した公的一次資料

試算に使う一次資料の一覧と確認状況を見る

次に確認すること

この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する