この記事の対象:特定技能外国人を雇用する事業者の人事・労務担当者で、就業規則に育児期の柔軟な働き方の措置を入れる必要があるか確かめたい人

事業主の義務:5つの措置のうち、2つ以上を選んで講じる

育児・介護休業法第23条の3第1項は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員について、5つの措置から2つ以上を講じるよう事業主に求めています。

条文は「講じなければならない」と書いています。厚生労働省のリーフレットでは、令和7年(2025年)10月1日から施行された義務に分類され、就業規則等の見直しが必要とされています。

従業員は、事業主が講じた措置の中から1つを選んで利用できます。措置の利用を申し出たことや、措置が講じられたことを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをしてはなりません(同条第7項)。

措置を選ぶときは、事業所の過半数労働組合、組合がなければ過半数代表者の意見を聴くことが必要です(同条第4項)。リーフレットも、過半数組合等からの意見聴取の機会を設けるよう求めています。

個別周知と意向確認の全体は個別周知・意向確認のガイドで確認できます。

選べる5つの措置と、リーフレットが示す条件

5つの措置は条文の第1号から第5号に当たり、リーフレットが各措置の条件を示しています。

条文の第1号は始業時刻変更等、第2号は在宅勤務等、第3号は育児のための所定労働時間の短縮、第4号は子の看護等休暇などとは別に就業しつつ養育することを容易にする休暇、第5号は省令で定めるその他の措置です。リーフレットはこれを、始業時刻等の変更、テレワーク等、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇、短時間勤務制度の5つとして説明しています。

リーフレットによると、テレワーク等と養育両立支援休暇は、原則として時間単位で取得できるようにする必要があります。条文第2項も、休暇の措置を講じたときは、原則として1日未満の単位で取得できると定めています。

選択して講ずべき5つの措置(厚生労働省のリーフレット)
措置リーフレットが示す内容
始業時刻等の変更1日の所定労働時間を変えない。フレックスタイム制、または始業・終業の時刻を繰り上げ・繰り下げる制度(時差出勤)のどちらか
テレワーク等1日の所定労働時間を変えず、月に10日以上利用できるもの
保育施設の設置運営等保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配と費用負担などが例に挙がっている)
養育両立支援休暇の付与1日の所定労働時間を変えず、年に10日以上取得できるもの
短時間勤務制度1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの

子が3歳になる前の個別周知と意向確認(第5項)

事業主は、3歳未満の子を養育する従業員に、選んだ措置の内容を知らせ、利用の意向を確認する必要があります。

リーフレットが示す周知の時期は、子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間です。子が1歳11か月に達する日の翌々日から、2歳11か月に達する日の翌日までに当たります。

知らせる事項は、事業主が選んだ措置(2つ以上)の内容、措置の申出先(例は人事部など)、所定外労働の制限・時間外労働の制限・深夜業の制限の制度の3つです。

方法は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかで、面談はオンラインでもよいとされています。FAXと電子メール等は、従業員が希望した場合に限ります。利用を控えさせるような周知と意向確認は認められないと、リーフレットに書かれています。

個別周知・意向確認のまとめ(リーフレット項目10の(2))
項目内容
対象3歳未満の子を養育する従業員
時期子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日〜2歳11か月に達する日の翌日)
知らせる事項選んだ措置(2つ以上)の内容、申出先、所定外労働・時間外労働・深夜業の制限の制度
方法面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メール等。FAXと電子メール等は従業員が希望した場合のみ

労使協定で措置の対象から除ける従業員と、準備の順番

条文第3項は、労使協定を書面で結べば、一部の従業員を措置の対象から除けるとしています。

除ける従業員は、条文では3種類です。1つ目は、その事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない従業員です。2つ目は、措置を講じないことに合理的な理由があると認められる従業員として、省令で定めるものです。

3つ目は、業務の性質や実施体制から、1日未満の単位で休暇を取得することが難しい業務に従事する従業員です。この3つ目は、休暇の措置の部分に限って除けます。労使協定の相手は、過半数労働組合、組合がなければ過半数代表者です。

措置を整える順番は、条文とリーフレットから次のように整理できます。省令で定める除外の細目は、このガイドでは確認していないので、厚生労働省の案内ページで確かめてください。

有期雇用の従業員が育児休業を取る条件は有期雇用の育児休業のガイドで確認できます。

  1. 1. 意見を聴く

    どの措置を講じるかを決める前に、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴きます。

  2. 2. 2つ以上を選ぶ

    5つの措置から、自社で実施できるものを2つ以上選び、就業規則等に定めます。

  3. 3. 個別に周知する

    3歳未満の子を養育する従業員に、時期を逃さず、選んだ措置を個別に知らせて意向を確認します。

よくある質問

この措置は、特定技能外国人にも適用されますか?

条文は、事業主が雇用する従業員のうち、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育するものを対象にしています。国籍による区別は条文に書かれていません。

5つの措置のうち、いくつを講じる必要がありますか?

2つ以上です。従業員は、事業主が講じた措置の中から1つを選んで利用できます。

措置を選ぶ前に、必要な手続はありますか?

事業所の過半数労働組合、組合がなければ過半数代表者の意見を聴く必要があります。

個別周知は、いつまでに行いますか?

リーフレットは、子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)としています。

参照した公的一次資料

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