この記事の対象:トラック・タクシー・バス事業で特定技能外国人の受入れを検討し、認証や認定が受入れの条件になっていることを知った経営者・運行管理の担当者
運用方針が求める認証・認定は、業態によって使えるものが違う
自動車運送業分野の特定技能所属機関には、国土交通省の制度による認証または認定を受けていることが求められています。
出入国在留管理庁の分野別運用方針は、特定技能所属機関に、次のどちらかを求めています。1つ目は、一般財団法人日本海事協会が実施する運転者職場環境良好度認証制度の認証を受けていることです。2つ目は、トラック運送業に限り、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関(貨物自動車運送事業法第43条)が認定する安全性優良事業所を有することです。
文言を読むと、安全性優良事業所の認定を使えるのはトラック運送業だけです。タクシー運送業とバス運送業は、運転者職場環境良好度認証(通称は働きやすい職場認証)が前提になります。自社がどちらを取るかは、業態で決まります。
| 業態 | 運転者職場環境良好度認証(働きやすい職場認証) | 安全性優良事業所(Gマーク) |
|---|---|---|
| トラック運送業 | 使える | 使える |
| タクシー運送業 | 使える | 運用方針の文言では対象外 |
| バス運送業 | 使える | 運用方針の文言では対象外 |
働きやすい職場認証:一つ星から始まる3段階で、有効期間は2年
働きやすい職場認証は、トラック・バス・タクシー事業者の職場環境の改善を星の数で示す制度です。
公式サイトによると、この制度は2019年に創設されました。運転者の労働条件や労働環境が一定の基準を満たしている事業者を認証し、求職者に見える形にして運転者の就職を促すことが目的です。
認証は一つ星・二つ星・三つ星の3段階です。一つ星は法令を守り、労働条件や労働環境の改善に向けた取組みを一定程度実施している事業者、二つ星は法令を上回る取組みを相当程度、三つ星は十分に実施している事業者とされています。初めて申請する事業者は、一つ星の新規として、いつでも申請できます。
認証の有効期間は2年間で、承認された翌月の1日から始まります。電子申請を使うと、審査料が2万円割引されます。過去に認証を受けていた事業者の再申請の扱いや、申請に必要な書類(審査申込書、本社・営業所の一覧、認証項目の自認書など)は、公式サイトの申請案内書で確認してください。
| 段階 | 公式サイトの説明 |
|---|---|
| 一つ星 | 法令を守り、労働条件や労働環境の改善に向けた取組みを一定程度実施している |
| 二つ星 | 法令を上回る取組みを相当程度実施している |
| 三つ星 | 法令を上回る取組みを十分に実施している |
安全性優良事業所(Gマーク):事業所単位で、100点中80点以上などが条件
安全性優良事業所の認定は、トラック運送業の事業所を対象に、全日本トラック協会が運営する制度です。
国土交通省の資料によると、この制度は2003年7月に始まりました。申請は事業所単位で、事業開始後3年を経過していること、配置する事業用自動車が5両以上であること等が申請資格です。会社全体ではなく、営業所ごとに申請する仕組みです。
評価は3項目、合計100点です。安全性に対する法令の遵守状況が40点(基準点数32点)、事故や違反の状況が40点(基準点数21点)、安全性に対する取組の積極性が20点(基準点数12点)です。取組の積極性には、4つの自認項目グループがあり、すべてのグループで得点する必要があります。
認定の要件は4つです。合計点が80点以上であること。各項目が基準点数以上であること。
法に基づく認可申請・届出・報告が適正になされていること。社会保険等への加入が適正になされていること。
| 評価項目 | 配点 | 基準点数 |
|---|---|---|
| 安全性に対する法令の遵守状況 | 40点 | 32点 |
| 事故や違反の状況 | 40点 | 21点 |
| 安全性に対する取組の積極性 | 20点 | 12点 |
認定の有効期間と、受入れ計画に組み込むときの確認点
認証・認定には有効期間があるため、取得した時期だけでなく、更新の時期も受入れ計画に入れます。
安全性優良事業所の有効期間は、国土交通省の資料では、2025年認定分で新規認定が2年間、初回更新が3年間、2回目の更新以降が4年間と書かれています。働きやすい職場認証は、新規取得で2年間です。更新の申請期間は公式サイトに案内があり、有効期限が2027年3月31日の事業者には、2026年10月1日から2027年3月31日が更新期間と示されています。
運用方針の文言は「安全性優良事業所を有する者」です。複数の営業所がある会社で、どの営業所が認定を受けていれば足りるかは、この文言だけでは読み取れません。自社の営業所の体制で条件を満たすかどうかは、国土交通省の窓口か出入国在留管理局に確認してください。
認証や認定の取得を、外国人の採用活動の前に済ませておくか、並行して進めるかで、受入れの開始時期が変わります。審査にかかる期間は事業者ごとに異なるため、公式サイトの申請案内書と、各制度の窓口の案内で確認してください。
運転免許の取得時期や準備期間は、自動車運送業の特定技能のガイドで確認できます。
- 自社の業態(トラック・タクシー・バス)が、どの認証・認定を使えるか確認した
- Gマークを使う場合、事業開始後3年・事業用自動車5両以上などの申請資格を満たすか確認した
- 認証・認定の有効期限と、更新の申請期間を一覧にした
- 運用方針の文言と、自社の営業所の体制が合うかを窓口に確認した
よくある質問
タクシーやバスの会社でも、Gマーク(安全性優良事業所)で条件を満たせますか?
運用方針の文言では、安全性優良事業所を使えるのはトラック運送業とされています。タクシー運送業とバス運送業は、運転者職場環境良好度認証(働きやすい職場認証)が前提になると読めます。
働きやすい職場認証は、何つ星が必要ですか?
運用方針の文言は「認証を受けた者」とだけ書かれ、星の数は指定されていません。自社の段階で足りるかは、出入国在留管理局か国土交通省の窓口に確認してください。
安全性優良事業所の認定は、会社単位ですか?
国土交通省の資料によると、申請は事業所単位です。事業開始後3年を経過し、事業用自動車を5両以上配置していること等が申請資格に含まれます。
認証や認定を取れば、特定技能外国人を必ず受け入れられますか?
いいえ。認証・認定は受入れ機関の基準の一つです。協議会への加入や、タクシー・バスでの新任運転者研修など、ほかの条件も別に確認が必要です。
参照した公的一次資料
- 「自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙10)(確認日:2026年9月26日、次回確認:2026年12月26日)
- 出入国在留管理庁「自動車運送業分野」(確認日:2026年8月11日、次回確認:2026年11月11日)
- 働きやすい職場認証制度 公式サイト「働きやすい職場認証制度とは」(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 働きやすい職場認証制度 公式サイト「新規取得の方へ」(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 国土交通省・全日本トラック協会「Gマーク制度について(貨物自動車運送事業安全性評価事業)」(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)