この記事の対象:特定技能外国人を雇う受入れ企業の人事・労務担当者、登録支援機関の担当者
管理簿は、年休を与えたときに労働者ごとに作る書類
年次有給休暇管理簿は、使用者が年次有給休暇を与えたときに、労働者ごとに作成する書類です。労働基準法施行規則第24条の7が定めています。
第24条の7は、労働基準法第39条第5項から第7項までの規定により有給休暇を与えたときに、時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類を作成するよう、使用者に求めています。この書類を「年次有給休暇管理簿」と呼びます。第5項は労働者の請求による付与、第6項は計画的付与、第7項は使用者による時季指定です。
条文は労働者ごとの作成を求めていて、国籍による区別を設けていません。特定技能外国人も、事業場のほかの労働者と同じ管理簿に載せます。
記載する3項目:時季・日数・基準日
管理簿に載せる項目は、条文が挙げる時季、日数、基準日の3つです。労働者ごとに明らかにします。
厚生労働省のパンフレットの表の例では、時季に年休を取得した日付、日数に基準日から1年以内の期間の取得日数、基準日に年休を付与した日を記入しています。
年休を前倒しで与えるなどして基準日が2つある場合は、第24条の7が第一基準日と第二基準日を含めて基準日を明らかにするよう求めています。パンフレットは、その場合は基準日を2つ記載し、取得日数は1つ目の基準日から2つ目の基準日の1年後までの期間の日数を記載するとしています。
| 項目 | 内容 | パンフレットの記載例の考え方 |
|---|---|---|
| 時季 | 年次有給休暇を取得した日付 | 取得した日を1日ずつ記入する |
| 日数 | 年次有給休暇を取得した日数 | 基準日から1年以内の期間の取得日数を記入する |
| 基準日 | 年次有給休暇を付与した日(第一基準日・第二基準日を含む) | 基準日が2つある場合は2つとも記入する |
保存期間は条文で5年、当分の間は3年。名簿や賃金台帳との兼用も可能
管理簿は、年休を与えた期間中と、その期間の満了後の一定期間、保存します。
第24条の7の条文は、年休を与えた期間中と、その期間の満了後5年間の保存を求めています。一方、労働基準法施行規則には、第24条の7を含む複数の規定について、当分の間は条文中の「5年間」を「3年間」と読み替える規定があります。
e-Govの現行条文で確認できます。厚生労働省のパンフレットも、満了後3年間の保存としています。
第55条の2は、使用者が年次有給休暇管理簿、労働者名簿、賃金台帳をあわせて調製できるとしています。パンフレットは、労働者名簿または賃金台帳に必要事項を盛り込んだ表を追加する例を示しています。
パンフレットは、必要なときにいつでも出力できる仕組みにしたうえで、システム上で管理することも差し支えないとしています。いつでも出力できる仕組みであることが条件です。
年5日の取得を確かめる台帳としても使う
管理簿は、年5日の年次有給休暇を確実に取得させる義務を果たしているかを確かめる台帳にもなります。
年5日の義務の対象は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者です。パンフレットは、管理監督者や有期雇用労働者も含まれるとしています。使用者は、付与日(基準日)から1年以内に5日について、時季を指定して取得させなければなりません。
労働者が自分で請求して取得した日や、労使協定による計画的付与の日数は、その分を5日から控除します。パンフレットによると、時間単位年休と、会社が独自に設ける特別休暇は、年5日の対象になりません。管理簿に日数を記入するときは、どの休みの日数かを区別して書いておくと確認しやすくなります。
パンフレットは、年5日を取得させなかった場合の罰則として、労働基準法第120条の30万円以下の罰金を挙げています。個別の労務判断は、所轄の労働基準監督署などに確認してください。当サイトは個別の労務判断をしません。
- 年休を与えた労働者ごとに、時季・日数・基準日を書いた管理簿があるか
- 基準日が2つある労働者に、基準日を2つとも記入しているか
- 保存期間(当分の間は与えた期間中と満了後3年間)を過ぎる前に廃棄していないか
- システムで管理する場合、必要なときにいつでも出力できるか
- 年休が10日以上ある労働者の取得日数を、基準日から1年以内に確認しているか
- 時間単位年休や特別休暇を、年5日の日数に含めていないか
よくある質問
年次有給休暇管理簿は、外国人労働者にも必要ですか?
必要です。施行規則第24条の7は、年次有給休暇を与えたときに労働者ごとに作成するよう求めていて、国籍による区別を設けていません。特定技能外国人も同じ管理簿に載せます。
管理簿は何年保存しますか?
条文では年休を与えた期間中と満了後5年間ですが、施行規則に当分の間は3年間と読み替える規定があり、厚生労働省のパンフレットも満了後3年間としています。
管理簿を労働者名簿や賃金台帳と一緒にしてよいですか?
施行規則第55条の2が、年次有給休暇管理簿、労働者名簿、賃金台帳をあわせて調製できるとしています。
管理簿を紙でなくシステムで管理してもよいですか?
厚生労働省のパンフレットは、必要なときにいつでも出力できる仕組みにしたうえで、システム上で管理することも差し支えないとしています。
参照した公的一次資料
- e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和22年法律第49号)(確認日:2026年10月8日、次回確認:2027年1月8日)
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第24条の7(年次有給休暇管理簿の記載事項と保存。当分の間は保存期間を3年間とする読み替え規定を同法令内に含む)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年2月17日)
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第55条の2(年次有給休暇管理簿・労働者名簿・賃金台帳のあわせた調製)(確認日:2026年10月18日、次回確認:2027年2月18日)
- 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」(東京労働局掲載)(確認日:2026年10月13日、次回確認:2027年4月13日)