この記事の対象:技能実習を修了した外国人を特定技能2号へ進めたい受入れ機関の人事担当者、2号の申請書類を確認する登録支援機関の担当者
対象は技能実習の在留歴がある人
入管庁の運用要領(令和8年8月版)は、特定技能2号の許可の基準の1つとして、技能実習で修得した技能等の本国への移転を挙げています。
基準の文言は、技能実習の在留資格をもって本邦に在留していたことがある者にあっては、その活動で日本で修得、習熟または熟達した技能等の本国への移転に努めるものと認められること、というものです。運用要領は、技能実習の活動に従事していた人が特定技能2号の許可を受けようとする場合に、この点を求めると説明しています。
確認対象の書類は、技能移転に係る申告書(参考様式第1-10号)です。運用要領で「技能移転」の語が出てくるのは、特定技能2号の基準の節です。技能実習の経験がない人は、この基準の文言に当たりません。
| 本人の経歴 | この基準と申告書の扱い |
|---|---|
| 「技能実習」の在留資格で在留していたことがある | 基準の対象。確認対象の書類は技能移転に係る申告書(第1-10号) |
| 技能実習の在留資格ができた平成22年7月より前に、「特定活動」(技能実習)で在留していた | 運用要領は、この人も「技能実習の在留資格で在留していたことがある者」に含まれるとしている(平成31年法務省令第7号附則第9条) |
| 技能実習の経験がない | 基準の文言は技能実習で在留していたことがある者についてのもの |
求められるのは移転に努める見込みまで
運用要領の留意事項は、「努めるものと認められること」の意味を説明しています。
「努めるものと認められること」とは、日本で修得等した技能等の本国への移転に努めることが見込まれることをいいます。実際に本国へ移転を行い、成果を挙げることまでを求めるものではない、と運用要領に書かれています。
様式の文言も、移転に努めたいと考えている、という本人の申告です。成果の報告を書く欄はありません。
申告書に書くのは、本人の情報と3つの申告
様式は、申告者本人が署名する短い書類です。
申告者の欄は、氏名、性別、生年月日、国籍・地域です。続く申告は3点です。1つ目は、日本の技能実習制度の趣旨が、開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進であると理解していること。
2つ目は、本国では修得等が困難な技能等について修得等をし、技能実習を修了したこと。3つ目は、日本で修得、習熟または熟達した技能、技術または知識の本国への移転に努めたいと考えていることです。
文中には、本国の国名や技能等の内容を書く空欄があります。最後に、記載内容が事実と相違ないことを確認する文があり、年月日と申告者の署名で終わります。
署名するのは申請人本人です。受入れ機関の名称や作成責任者の欄はありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告者 | 氏名、性別、生年月日、国籍・地域 |
| 申告1 | 技能実習制度の趣旨が、開発途上地域等への技能等の移転による国際協力の推進であると理解している |
| 申告2 | 本国では修得等が困難な技能等について修得等をし、技能実習を修了した |
| 申告3 | 日本で修得、習熟または熟達した技能、技術または知識の本国への移転に努めたい |
| 確認と署名 | 記載内容が事実と相違ないこと、年月日、申告者の署名 |
本人が十分に理解できる言語で作り、内容を理解して署名する
運用要領は、この申告書の作り方について留意事項を置いています。
技能移転の申告書は、申請人が十分に理解できる言語により作成し、申請人が内容を十分に理解して署名していることが求められます。運用要領は、この様式の10か国語の翻訳様式を入管庁のホームページに掲載しているとしています。
入管庁の様式一覧ページには、英語及び9か国語による様式の案内もあります。本人の母語の様式があるかどうかは、様式一覧ページで確認します。
- 本人が技能実習の在留資格で在留していたことがあるかを、在留歴で確認した
- 申告書を本人が十分に理解できる言語で用意した
- 本人が内容を理解したうえで、自分で署名した
- 記載した国名と技能等の内容が、本人の経歴と合っている
2号の申請では、業務内容に関する誓約書(第1-32号)も別に出す
技能移転の申告書は、2号の業務内容を確認する書類とは別のものです。
入管庁は、2026年8月20日以降の在留諸申請から、2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式)の提出を求めています。この書類は、2号が従事する業務内容と技能実習生または1号が従事する業務内容の違い、2号から指導を受ける対象者などを確認するためのものです。
技能移転の申告書は、技能実習を経験した本人が、修得した技能を本国へ移転することに努めるかを確認する書類です。確認する内容が違うため、2号を申請する人が技能実習の経験者であれば、両方の書類を確認する必要があります。
業務内容の誓約書は2号の業務内容に関する誓約書のガイドで確認できます。
よくある質問
技能実習の経験がない人も、技能移転の申告書が必要ですか?
運用要領の基準の文言は、技能実習の在留資格で在留していたことがある者についてのものです。個別の申請で必要かどうかは、管轄の地方出入国在留管理局に確認してください。
本国へ実際に技能を移転していないと、2号は許可されませんか?
運用要領は、移転に努めることが見込まれれば足り、実際に移転して成果を挙げることまでは求めないとしています。
申告書は日本語で作ればよいですか?
運用要領は、申請人が十分に理解できる言語で作成し、内容を十分に理解して署名していることを求めています。10か国語の翻訳様式が入管庁のホームページに載っているとされています。
申告書には受入れ機関が署名しますか?
様式の署名欄は申告者の署名です。受入れ機関の名称や作成責任者の欄はありません。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(確認日:2026年8月1日、次回確認:2026年11月1日)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の参考様式(全体版)」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2027年1月22日)
- 出入国在留管理庁「2号特定技能外国人の業務内容について」(令和8年8月5日)(確認日:2026年10月15日、次回確認:2027年1月15日)