この記事の対象:育成就労外国人の受入れを検討・開始している企業の人事担当者、監理支援機関の担当者、育成就労責任者
原則:育成就労の期間は3年以内、計画ごとに数える
育成就労の期間は、育成就労計画の認定を受けるときの基準のひとつで、原則は3年です。
運用要領は、育成就労法第9条の認定の基準として「育成就労の期間が三年以内であること」を挙げ、期間は原則として3年としています。育成就労計画は外国人ごとに、基本的に3年間の育成就労期間について作成し、外国人育成就労機構の認定を受けます。3年を下回る計画は、適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性があるとされています。
期間は、原則として単一の育成就労計画の範囲で判断します。ただし、やむを得ない事情による中断後の再開や転籍のときは、すでに行った計画上の期間と通算して、残りの期間を判断します。転籍で計画が変わっても、3年がそのまま数え直しになるわけではありません。
| 場面 | 期間の見方 |
|---|---|
| 通常の計画 | 3年以内。基本は3年間の計画で認定を受ける |
| 3年を下回る計画 | 適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性がある |
| 中断後の再開・転籍 | すでに行った期間と通算して、残りの期間を判断する |
一時帰国:自己都合の帰国は含まれ、届出書で中断した帰国は含まれない
帰国の間が育成就労の期間に数えられるかどうかは、帰国の理由と届出の有無で分かれます。
出入国在留管理庁の育成就労制度Q&A(Q57)は、育成就労は基本的に3年間続けて行うことが想定されているとしたうえで、次のように答えています。夏季休暇や年末年始に、自己都合で再入国許可(みなし再入国を含む)を受けて一時的に本国へ帰国する場合は、帰国期間も育成就労の期間に含まれます。ただし、実施者(監理型の場合は監理支援機関)が育成就労実施困難時届出書を提出して育成就労を中断した場合は除かれます。
他方、妊娠・出産等により一定期間の帰国が見込まれ、育成就労実施困難時届出書を提出したうえで出国する場合は、その帰国期間は育成就労の期間に含まれません。この場合、育成就労を再開するときは、育成就労計画の変更認定申請等の手続が必要です。妊娠・出産の場合の届出と再開は、別のガイドで整理しています。
一時帰国の申出があったときの休暇は、運用要領のポイントに定めがあります。育成就労実施者は、労働基準法上の年次有給休暇をすべて取得した外国人から一時帰国の申出があった場合、追加的な有給休暇を取得できるよう配慮しなければなりません。また、申出があったときに必要な有給又は無給の休暇を取得させることを、雇用契約で定めるよう求めています。
妊娠・出産で帰国するときの届出と再開は、妊娠・出産時の届出と期間の扱いのガイドで確認できます。
| 帰国の種類 | 育成就労の期間の扱い |
|---|---|
| 夏季休暇・年末年始等の自己都合の一時帰国(届出書による中断なし) | 含まれる |
| 妊娠・出産等で、育成就労実施困難時届出書を提出して出国 | 含まれない(再開時は計画の変更認定申請等) |
| 農業・漁業の閑散期に、計画に組み込んだ一時帰国 | 含まれない(次の節) |
閑散期の一時帰国:毎年同じ時期・1回6か月以内で、最大5年6か月の計画
季節性のある業務では、毎年の閑散期に本国へ帰って育成就労を休止する計画が認められる場合があります。
Q&A(Q57)は、労働者派遣形態による育成就労が認められる分野では、毎年業務の閑散期に本国へ一時帰国して育成就労を一定期間休止し、その後に再び来日して従事する計画を認めるとしています。入管庁の概要資料は、育成就労制度での労働者派遣を農業分野と漁業分野に限っています。
一時帰国の時期は毎年同じで、1回の帰国は最大6か月です。この帰国期間は育成就労の期間に含まれないため、日本で従事する期間が合計3年になる計画を作ります。
運用要領は、この形が認められる条件を3つ挙げています。1つ目は、労働者派遣が認められる分野に当たること。2つ目は、一時帰国の期間が1年のうち6か月以内であること。
3つ目は、一時帰国の時期と期間が毎年同一であることです。日本で育成就労に従事する期間と一時帰国の期間を合計した全期間について、計画を作成します。
毎年の帰国は、日付が全く同じである必要はなく、おおむね同じであれば認められます。運用要領は、各一時帰国期間の始期または終期の差が1か月程度であれば同一の時期と認められるとしています。
1回あたり最大6か月帰国する場合は、3年の育成就労の期間と各一時帰国期間を合計して、最大5年6か月の計画の認定を受けることになります。帰国中のトラブルで予定が大きく変わるときは、育成就労実施困難時届出書で計画を中断するか、期間の変更認定を受ける必要があるため、機構に相談してください。
| 1回目の帰国期間 | 2回目の帰国期間 | 運用要領の判断 |
|---|---|---|
| 2027年10月30日〜2028年3月15日 | 2028年10月18日〜2029年3月25日 | 同一期間と認められる |
| 2027年10月30日〜2028年3月15日 | 2028年8月1日〜2029年1月20日 | 同一期間とは認められない |
在留期間との違い:計画の認定期間内でも、在留期間の更新は別に必要
育成就労の期間と、在留カードに書かれる在留期間は、別の物差しです。
運用要領は、育成就労法上の育成就労の期間と、外国人が持つ在留資格上の在留期間は必ずしも一致しないとしています。認定を受けた育成就労の期間の内であっても、在留期間を過ぎて育成就労を行うことは認められません。
そのため、在留期間が先に満了する場合は、地方出入国在留管理局に在留期間の更新を申請する必要があります。計画の認定が残っていることは、在留期間が残っていることを意味しません。計画の期間と在留期間は、それぞれの満了日を別々に控えておくと確認しやすくなります。
- 育成就労計画の期間が3年以内になっている(3年を下回る計画は認定されない可能性がある)
- 転籍や中断後の再開では、すでに行った期間との通算で残りを確認した
- 自己都合の帰国か、届出書で中断する帰国かを区別して記録した
- 閑散期の帰国を組み込む場合、時期・期間が毎年同じで1回6か月以内になっている
- 計画の満了日と在留期間の満了日を別々に管理している
よくある質問
夏休みや年末年始に自己都合で帰国すると、育成就労の期間に数えられますか?
入管庁のQ&A(Q57)は、自己都合で再入国許可(みなし再入国を含む)を受けて一時的に帰国する場合は、帰国期間も育成就労の期間に含まれるとしています。ただし、届出書を提出して育成就労を中断した場合は除かれます。
閑散期の一時帰国は何か月まで認められますか?
運用要領は、一時帰国の期間を1年のうち6か月以内とし、時期と期間が毎年同一であることを求めています。対象は労働者派遣形態が認められる分野(農業分野・漁業分野)です。個別の計画は機構に確認してください。
3年より短い育成就労計画でも認定されますか?
運用要領は、3年を下回る育成就労計画は適正な育成を行えるものと認められず、認定を受けられない可能性があるとしています。
転籍すると、育成就労の期間は最初から数え直しになりますか?
運用要領は、やむを得ない事情による中断後の再開や転籍のときは、すでに行った育成就労計画上の期間と通算して、残りの期間を判断するとしています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(確認日:2026年10月22日、次回確認:2026年11月22日)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領 ~関係者の皆さまへ~」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2027年1月3日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(令和8年7月改訂)(確認日:2026年9月23日、次回確認:2026年12月23日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領のポイント」(確認日:2026年9月7日、次回確認:2026年12月7日)
次に確認すること
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。