この記事の対象:育成就労の受入れを検討する企業の経営者・人事担当者、監理支援機関の許可を受けた(受ける予定の)団体の担当者

2つの基準:行方不明者と非自発的離職者

育成就労計画の認定基準には、過去1年以内の行方不明者と非自発的離職者の発生について、受入れ側が満たすべき基準があります。

運用要領は、規則第15条の第10号に、行方不明者の発生と非自発的離職者の発生についての基準があると示しています。単独型育成就労では申請者が、監理型育成就労では申請者と監理支援機関の両方が、この基準を満たす必要があります。

どちらも、育成就労外国人を雇用している間に発生させた場合は、基準に反するものとして育成就労計画の認定の取消しの対象になります。基準を免れるために別の機関を作った場合は、行方不明者では実質的に同一の機関として、非自発的離職者では基準を満たさないものとして扱われることがあり得ます。

2つの基準の比べ方(運用要領第4章)
項目行方不明者の発生非自発的離職者の発生
見る期間過去1年以内過去1年以内
発生させてはいけない人受入れ側の責めに帰すべき事由による行方不明者同種の業務に従事していた労働者の非自発的な離職
発生させた場合認定の取消しの対象認定の取消しの対象
別機関を作った場合実質的に同一の機関として扱うことがある基準を満たさないものとして扱うことがある

行方不明者:責めに帰すべき事由と届出

基準の対象は、育成就労実施者または監理支援機関の責めに帰すべき事由による行方不明者です。

運用要領は、「責めに帰すべき事由」の例として、育成就労実施者が育成就労計画や雇用契約の内容に沿った育成就労を行わない場合や、賃金を適切に支払わない場合を挙げています。こうした法令違反や認定基準に合わない行為があった期間内に、1人でも育成就労外国人が行方不明になれば、この基準に適合しないことになります。

受入れ側は、育成就労を適正に行わせる体制を確保し、育成就労外国人からの相談に応じて問題の解決に取り組み、行方不明の発生を防ぐよう努める必要があります。受け入れている育成就労外国人が行方不明になったときは、育成就労実施困難時届出書を遅滞なく提出します。

監理支援機関が出す実施困難時の届出は、監理支援機関の実施困難時の届出のガイドで確認できます。

非自発的離職者:同種の業務のフルタイムの労働者

この基準は、人手不足を補うために、いまいる労働者を離職させて育成就労外国人に置き換えることを防ぐためのものです。

運用要領は、育成就労外国人に従事させる業務と同種の業務に従事していた労働者を、過去1年以内に非自発的に離職させていないことを求めています。対象は、フルタイムで雇用されている従業員で、パートタイムやアルバイトは含みません。

次の4つの離職は、非自発的離職者から除かれます。これらに当たらない非自発的離職者を1人でも出していれば、基準に適合しません。

非自発的離職者から除かれる離職(運用要領第4章)
除かれる離職内容
定年等定年その他これに準ずる理由で退職した者
重大な理由による解雇自己の責めに帰すべき重大な理由により離職した者
有期契約の期間満了更新の申込みなどがあったが、本人の責めに帰すべき重大な理由その他の正当な理由で拒まれ、契約が終わった場合に限る
自発的な離職いわゆる自己都合退職など

非自発的として扱われる場合と、確認書類

自己都合の退職でも、理由によっては非自発的離職者として扱われます。

運用要領は、労働条件の重大な問題(賃金不払い、過度な時間外労働、採用条件との相違など)、就業環境の重大な問題(故意の排斥、嫌がらせなど)、人員整理のための希望退職の募集や退職勧奨のいずれかを理由に離職したと認められる者は、非自発的離職者として扱うとしています。有期契約の雇止めも、離職者の責めに帰すべき重大な理由その他の正当な理由によらないものは、非自発的離職者に当たります。

確認対象の書類として、運用要領は、育成就労計画認定申請書(省令様式第1号、第2号、第3号(1)または第3号(2))、申請者の誓約書(参考様式第1-8号)、育成就労外国人等に関する申告書(参考様式第1-12号)を挙げています。この3つは、行方不明者の基準と非自発的離職者の基準のどちらにも共通です。

  • 過去1年以内に、育成就労外国人に従事させる業務と同種の業務のフルタイムの労働者が離職していないか、一覧で確かめる
  • 離職した人ごとに、定年・重大な理由による解雇・有期契約の期間満了・自己都合のどれに当たるかを記録する
  • 自己都合の離職でも、賃金不払い・過度な時間外労働・嫌がらせ・退職勧奨が理由でないかを確かめる
  • 過去1年以内に、受入れ側の責めに帰すべき事由による行方不明者がいないかを確かめる
  • 判断に迷うときは、運用要領の該当箇所を確かめたうえで、外国人育成就労機構に確認する

よくある質問

パートやアルバイトが辞めた場合も、非自発的離職者になりますか?

運用要領は、同種の業務に従事していた労働者について、フルタイムで雇用されている従業員をいい、パートタイムやアルバイトは含まないと書いています。

自己都合で辞めた人は、必ず基準の対象外ですか?

自発的に離職した者は除かれますが、賃金不払いや過度な時間外労働、嫌がらせなどを理由に離職したと認められる場合は、非自発的離職者として扱われます。

行方不明者が1人でも出ると基準に反しますか?

運用要領は、責めに帰すべき事由があった期間内に、1人でも育成就労外国人が行方不明になった場合は、基準に適合しないことになると書いています。責めに帰すべき事由に当たるかは、個別の事情で判断されます。

基準に反するとどうなりますか?

育成就労外国人を雇用している間に発生させた場合は、認定の取消しの対象になります。個別の判断は、外国人育成就労機構の地方事務所・支所の認定課に確認してください。

参照した公的一次資料

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