この記事の対象:鉄道分野で育成就労外国人の受入れを検討する鉄道事業者・軌道経営者・鉄道車両の整備や製造、駅・車両の清掃を行う事業者
告示の位置づけ:令和8年3月31日の国土交通省告示で、令和9年4月1日から適用
鉄道分野の上乗せ基準は、国土交通大臣が定めた告示(国土交通省告示第442号)です。
告示は、育成就労法施行規則の第13条第2項第9号と第15条第1項第13号を根拠に、鉄道分野に特有の事情に鑑みた基準を定めています。条文は第1条(育成就労の内容の基準)と第2条(育成就労を行わせる体制の基準)の2条です。
附則は、育成就労制度を定める改正法の施行日(令和9年4月1日)から適用すると書いています。上乗せ基準は特定技能の分野別基準とは別の告示で、このページは育成就労の基準だけを扱います。
出典:国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)
申請者が営む事業:鉄道事業者・軌道経営者・施設や車両の整備、車両の製造、駅や車両の清掃の事業
第1条第1号は、申請者が次のいずれかの事業を営む者であることを基準にしています。
告示が挙げる事業は、鉄道事業法による鉄道事業者、軌道法による軌道経営者、そのほか鉄道事業または軌道事業の用に供する施設や車両の整備、車両の製造、駅や車両の清掃に係る事業です。鉄道会社だけでなく、整備・製造・清掃を担う事業者も対象に含まれます。
鉄道事業法は、鉄道事業を第一種・第二種・第三種に分けています。軌道法は、一般交通の用に供するために敷設する軌道に適用されます。自社がどれに当たるかは、国土交通省の案内で確認してください。
| 種類 | 事業の内容 |
|---|---|
| 第一種鉄道事業 | 他人の需要に応じ、鉄道による旅客または貨物の運送を行う事業で、第二種鉄道事業以外のもの |
| 第二種鉄道事業 | 他人の需要に応じ、自らが敷設する鉄道線路以外の鉄道線路を使用して、鉄道による旅客または貨物の運送を行う事業 |
| 第三種鉄道事業 | 鉄道線路を第一種鉄道事業の経営者に譲渡する目的で敷設する事業、または鉄道線路を敷設して第二種鉄道事業の経営者に専ら使用させる事業 |
- 自社の事業が、鉄道事業者・軌道経営者・施設や車両の整備・車両の製造・駅や車両の清掃のどれに当たるか確認した
- 鉄道事業者の場合は、第一種から第三種のどれに当たるか確認した
- 業務区分を運輸係員にする場合は、次の節の追加基準を確認した
出典:国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、e-Gov法令検索「鉄道事業法」(昭和61年法律第92号)第2条(確認日:2026年10月12日)、e-Gov法令検索「軌道法」(大正10年法律第76号)第1条(確認日:2026年10月12日)
運輸係員だけに加わる基準:日本語能力の評価と150時間以上の授業時間
第1条第2号は、業務区分が運輸係員の場合に限って、日本語に関する基準を2つ加えています。
1つ目は、育成就労外国人が「他の者の部分的な支援により基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準」の日本語能力を持つことを、試験その他の評価方法で証明することです。告示は、試験名や級を指定していません。
2つ目は、施行規則第13条第2項第8号に規定する授業科目の授業時間数が150時間以上であることです。同号は、認定日本語教育機関の就労のための課程で100時間以上履修できるよう、必要な措置を講じることを求めています。
ただし、同号のただし書に当たるときは、この150時間の基準は適用されません。ただし書は、日本語の育成就労の目標がすでに達成されている場合を例外としています。
運輸係員は、特定技能でも日本語要件が他の区分より高い区分です。特定技能の6区分の違いは、別のガイドで整理しています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| イ | 他の者の部分的な支援により基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の日本語能力を、試験その他の評価方法で証明していること |
| ロ | 施行規則第13条第2項第8号の授業科目の授業時間数が150時間以上であること(同号ただし書に当たる場合を除く) |
- 運輸係員の候補者の日本語能力を、どの試験その他の評価方法で証明するか決めた
- 授業科目の授業時間数が150時間以上になる計画を立てた
- ただし書に当たるかどうかは、国土交通省と出入国在留管理庁の案内で確認した
出典:国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、厚生労働省法令等データベースサービス「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則」(確認日:2026年9月25日)、「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙11)(確認日:2026年9月5日)
体制の基準:協議会への協力・国の調査への協力
第2条は、申請者が次の3つのいずれにも該当することを求めています。
3つの事項は、いずれも条文の末尾が「〜こととしていること」です。告示は、これらを行うこととしていることを、申請者の基準にしています。
第1号と第2号の分野別協議会は、鉄道分野の協議会を指します。造船・舶用工業分野の告示にある訓練または研修の号は、鉄道分野の告示にはありません。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 鉄道分野の分野別協議会で協議が調った事項に関する措置を講ずる |
| 第2号 | 鉄道分野の分野別協議会に対し、必要な協力を行う |
| 第3号 | 鉄道分野における育成就労外国人の受入れに関し、国土交通大臣またはその委託を受けた者が行う調査、指導、情報の収集、意見の聴取その他の業務に必要な協力を行う |
- 分野別協議会での協議事項を受け取る方法と、協力の方法を確認した
- 協議会で協議が調った事項を受け取る担当者を決めた
- 国の調査・指導への協力窓口を決めた
出典:国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)
受入れ準備で先に確認すること
適用は令和9年4月1日からですが、自社の事業の該当性と、運輸係員を受け入れる場合の日本語の準備は、早めに確認できます。
まず、自社の事業が告示第1条第1号の事業のどれに当たるかを確認します。運輸係員を予定する場合は、日本語能力の評価方法と授業時間数の計画を、先に決めておきます。
告示や分野別運用方針は、今後改正されることがあります。認定や許可の個別の結果は、このページでは判断できません。受入れの前に、国土交通省と出入国在留管理庁の最新の案内で確認してください。
出典:国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日)、「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙11)(確認日:2026年9月5日)
よくある質問
鉄道分野の上乗せ基準は、いつから適用されますか?
告示の附則は、育成就労制度を定める改正法の施行日である令和9年4月1日から適用すると書いています。
どの事業者が育成就労外国人を受け入れられますか?
告示第1条第1号は、鉄道事業者、軌道経営者、そのほか鉄道事業または軌道事業の用に供する施設や車両の整備、車両の製造、駅や車両の清掃に係る事業を営む者であることを基準にしています。
運輸係員の日本語の基準は、どの試験で証明しますか?
告示は、他の者の部分的な支援により基礎的な日本語を理解し、使用することができる水準の日本語能力を、試験その他の評価方法で証明することを求めています。試験名や級は告示に書かれていません。
授業時間が150時間以上になるのは、どの区分ですか?
告示第1条第2号の基準は、業務区分が運輸係員の場合に加わります。ただし、施行規則第13条第2項第8号のただし書に当たるときは、この限りではありません。
参照した公的一次資料
- 国土交通省告示第四百四十二号(令和8年3月31日)「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則の規定に基づき鉄道分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準」(JILPT掲載の告示本文)(確認日:2026年10月12日、次回確認:2027年1月12日)
- e-Gov法令検索「鉄道事業法」(昭和61年法律第92号)第2条(確認日:2026年10月12日、次回確認:2027年1月12日)
- e-Gov法令検索「軌道法」(大正10年法律第76号)第1条(確認日:2026年10月12日、次回確認:2027年1月12日)
- 厚生労働省法令等データベースサービス「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則」(確認日:2026年9月25日、次回確認:2026年12月25日)
- 「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙11)(確認日:2026年9月5日、次回確認:2026年12月5日)
次に確認すること
この記事の条件を引き継いで、未確認費目を整理する(金額は概算で、見積の代わりではありません)
試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。