この記事の対象:造船所・舶用機器メーカー等で特定技能2号への移行を考える企業の担当者、1号の外国人材の2号受験を支援する登録支援機関
日本海事協会が実施し、溶接・塗装・鉄工の3区分で受ける
造船・舶用工業分野の特定技能2号試験は、国土交通省海事局の試験実施要領に基づき、一般財団法人日本海事協会が実施します。
試験は業務区分ごとに行い、区分は溶接、塗装、鉄工の3つです。日本語で出題され、必要に応じてルビが付きます。専門用語には他の言語を併記できます。
学科試験はペーパーテスト方式、実技試験は作業試験です。試験は、受験者または受験者が所属する団体などの申請により、国内外で随時実施されます。原則として、申請者が準備した試験会場に試験監督者が出向き、申請者が準備した機械設備を使う出張試験方式です。
1号の試験の問題数や合格基準は、造船・舶用工業分野の1号試験のガイドで確認できます。
学科試験は60分。塗装・鉄工は管理能力の問題も加わる
学科試験の試験時間は60分です。安全衛生等確認試験はすべての区分で受け、管理能力等確認試験は塗装と鉄工の区分だけで受けます。
安全衛生等確認試験は○×式の30問で、安全衛生一般が10問、各業務区分に関する知識・技能が文章問題10問と図表問題10問です。正答率60%以上が合格です。
管理能力等確認試験は多肢択一法の10問で、安全衛生管理に関する問題が6問、管理能力に関する問題が4問です。正答率60%以上で、かつ安全衛生管理に関する問題と管理能力に関する問題のそれぞれで正答率50%以上が合格です。
| 試験 | 対象の区分 | 問題数・形式 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 安全衛生等確認試験 | 溶接・塗装・鉄工 | 30問・○×式 | 正答率60%以上 |
| 管理能力等確認試験 | 塗装・鉄工 | 10問・多肢択一 | 正答率60%以上、かつ安全衛生管理・管理能力のそれぞれ50%以上 |
実技は区分ごとの作業試験。溶接60分・塗装60分・鉄工120分
実技試験は、2号に求められる熟練した技能があるかを区分ごとの作業試験で確かめます。試験時間は溶接が60分、塗装が60分、鉄工が120分です。
溶接は、溶接した試験材が外観試験と、曲げ試験または放射線透過試験の基準を満たすかで合否が決まります。有害と認められる割れや欠陥があってはならず、水準は全ての溶接姿勢で適切に溶接できる技能とされています。
塗装は、指定された塗装仕様どおりに塗り、各評価対象面が指定の膜厚範囲内にあること、指定されたエッジ部が適正に塗装されていること、タレやゆず肌などの塗膜欠陥がないことが基準です。鉄工は、製作図に指示された製品を作ります。
試験問題が定める製品寸法と仕上がりの全項目を満たすことが基準です。塗装と鉄工の水準は、技能検定1級と同等とされています。
| 区分 | 試験時間 | 合否の基準 |
|---|---|---|
| 溶接 | 60分 | 外観試験と、曲げ試験または放射線透過試験で有害な欠陥がない |
| 塗装 | 60分 | 膜厚範囲・エッジ部・塗膜欠陥の3点を満たす |
| 鉄工 | 120分 | 製品寸法と仕上がりの全項目を満たす |
受験資格は監督者としての実務経験2年以上
試験を受けられるのは、試験日に満17歳以上の外国人で、造船・舶用工業で複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験が2年以上ある人です。
実務経験は試験日の前日までのものが対象で、証明のために、要領の様式1と様式2の誓約書をあわせて出します。国内で受ける場合は、在留資格を持っていることが必要です。
受験料の額は、日本海事協会が国土交通省と協議して定め、公表するとされています。実施にかかる追加の経費が別に徴収されることもあり、収めた受験料は、申請が受理されなかった場合などを除いて返されません。
結果を記した結果証明書は、試験の実施後1か月以内に申請者へ送られます。溶接の区分は、曲げ試験の実施後から数えます。
2号の対象分野や分野ごとの試験の違いは、2号の分野別の試験のガイドで確認できます。
- 候補者が試験日に満17歳以上で、在留資格があるか確かめた
- 複数の作業員を指揮・命令・管理した監督者としての経験が2年以上あるか、勤務記録で確かめた
- 要領の様式1・様式2の誓約書を用意した
- 日本海事協会が公表する受験料と追加経費を確かめた
よくある質問
造船・舶用工業分野の2号試験の区分はいくつありますか?
溶接、塗装、鉄工の3区分で、区分ごとに学科試験と実技試験を受けます。
学科試験の合格基準は何ですか?
安全衛生等確認試験は正答率60%以上です。塗装と鉄工が受ける管理能力等確認試験は、正答率60%以上で、かつ安全衛生管理と管理能力のそれぞれ50%以上です。
実技試験の時間はどれくらいですか?
溶接が60分、塗装が60分、鉄工が120分です。
2号試験を受けるのに実務経験は必要ですか?
必要です。造船・舶用工業で複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験が2年以上あることが要件で、様式1・様式2の誓約書を出します。
合格すれば必ず2号の在留資格が得られますか?
得られるとは限りません。試験の合格は、在留資格認定証明書の交付や在留資格変更の許可を保証するものではありません。
参照した公的一次資料
- 国土交通省海事局「造船・舶用工業分野特定技能2号試験実施要領」(令和5年2月・令和6年8月改正、出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)
- 国土交通省「造船・舶用工業分野特定技能1号試験実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)
- 出入国在留管理庁「造船・舶用工業分野」(確認日:2026年8月10日、次回確認:2026年11月10日)
- 「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙6)(確認日:2026年9月26日、次回確認:2026年12月26日)