この記事の対象:鉄道車両や部品の製造会社で特定技能1号の受入れを検討する企業の担当者、業務区分の確認を支える登録支援機関の担当者
対象業務:素材加工から部品検収・配膳業務まで
運用要領別冊は、車両製造区分の対象業務を12の業務名で挙げています。
運用要領別冊の鉄道分野の基準は、1号特定技能外国人が従事する業務区分を6つに分けています。そのうち車両製造区分の対象業務は、素材加工、部品組立て、構体組立て、塗装、溶接、ぎ装、台車枠製造、台車組立て、電子機器組立て、電気機器組立て、試験・検査、部品検収・配膳業務等です。
従事できるのは、鉄道分野の評価試験の合格で確認された技能を要する業務です。当該業務に従事する日本人が通常従事する関連業務(事務作業、作業場所の整理整頓や清掃等)への付随的な従事は差し支えありませんが、専ら関連業務に従事することは認められません。業務の遂行では、鉄道営業法等の関係法令や、安全管理規程、業務規程、社内規程等の規程類を守ることが必要とされています。
従事させようとする業務が鉄道分野に当たるか分からない場合の問合せ先として、別冊は国土交通省鉄道局技術企画課を挙げています。
- 予定する業務が、車両製造区分の12の業務名のどれに当たるか整理したか
- 関連業務だけに従事させる配置になっていないか確認したか
- 分野に当たるか不明な業務は、国土交通省鉄道局技術企画課に確認したか
技能の証明:評価試験(車両製造)と技能検定3級
車両製造区分の技能は、鉄道分野特定技能1号評価試験(車両製造)の合格などで確認されます。
別冊によると、鉄道分野特定技能1号評価試験(車両製造)は、指導者の指示・監督の下、鉄道における作業等に関する特異性を理解し、素材加工から部品検収・配膳業務等までを適切かつ安全にできることを認定する試験です。合格者は、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認められます。
別表(鉄道)は、車両製造区分の技能水準として、この評価試験のほかに、技能検定3級(機械加工、仕上げ、電子機器組立て、電気機器組立て、塗装)を並べています。どちらで証明するかは、候補者が受けた試験によって決まります。溶接など、この5つに含まれない作業の扱いは、管轄の出入国在留管理局に確認してください。
| 証明の方法 | 内容 |
|---|---|
| 評価試験 | 鉄道分野特定技能1号評価試験(車両製造) |
| 技能検定3級 | 機械加工、仕上げ、電子機器組立て、電気機器組立て、塗装 |
日本語の要件:国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上
車両製造区分の日本語要件は、運輸係員以外の区分と同じ水準です。
別冊は、運輸係員の業務区分以外について、「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上を求めています。具体的には、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2.2相当以上、または日本語能力試験(JLPT)N4以上のいずれかの合格です。
運輸係員区分だけは、日本語能力試験N3以上など、より高い水準が定められています。車両製造区分の採用で、運輸係員の水準を求められることはありません。
技能実習2号からの移行:免除の対象となる職種・作業
別表の対象となる技能実習2号を良好に修了していれば、技能水準と日本語能力水準の試験が免除となります。
別冊は、技能実習2号を良好に修了し、その技能が特定技能1号で従事する業務の技能と関連すると認められる場合、試験の免除を認めています。車両製造区分の別表は、免除の対象となる技能実習2号の職種・作業として、次を挙げています。
令和9年4月1日以降も当分の間、この免除の対象は別表で示されています。実際に免除を受けられるかは、修了した職種・作業が別表に載っているかで決まるため、移行を考える候補者の実習の職種・作業名を、申請の前に別表と照らし合わせてください。
| 職種 | 作業 |
|---|---|
| 機械加工 | 普通旋盤、フライス盤、数値制御旋盤、マシニングセンタ |
| 金属プレス加工 | 金属プレス |
| 鉄工 | 構造物鉄工 |
| 仕上げ | 治工具仕上げ、金型仕上げ、機械組立仕上げ |
| 電子機器組立て | 電子機器組立て |
| 電気機器組立て | 回転電機組立て、変圧器組立て、配電盤・制御盤組立て、開閉制御器具組立て、回転電機巻線製作 |
| 塗装 | 金属塗装、噴霧塗装 |
| 溶接 | 手溶接、半自動溶接 |
よくある質問
車両製造区分で、特定技能1号の対象になる業務は何ですか?
運用要領別冊は、素材加工、部品組立て、構体組立て、塗装、溶接、ぎ装、台車枠製造、台車組立て、電子機器組立て、電気機器組立て、試験・検査、部品検収・配膳業務等を挙げています。個別の業務が当たるかは、国土交通省鉄道局技術企画課や出入国在留管理局に確認してください。
技能検定3級があれば、評価試験は受けなくてよいですか?
別表は、車両製造区分の技能水準として、評価試験(車両製造)と技能検定3級(機械加工、仕上げ、電子機器組立て、電気機器組立て、塗装)を並べています。対象外の作業の扱いは、管轄の出入国在留管理局に確認してください。
日本語はどの水準が必要ですか?
運輸係員以外の区分は、国際交流基金日本語基礎テストのA2.2相当以上、または日本語能力試験N4以上の合格が求められます。車両製造区分はこの水準です。
技能実習2号を修了していれば、試験は免除されますか?
別表に載る職種・作業の技能実習2号を良好に修了し、その技能が1号で従事する業務の技能と関連すると認められる場合に、免除となります。修了した職種・作業が別表にあるかを、申請の前に確認してください。
参照した公的一次資料
- 法務省・国土交通省編「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-鉄道分野の基準について-」(確認日:2026年9月5日、次回確認:2026年12月5日)
- 「鉄道分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(閣議決定、別紙11)(確認日:2026年9月5日、次回確認:2026年12月5日)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)(確認日:2026年10月3日、次回確認:2026年12月3日)
- 出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」」(申請の提出書類一覧)(確認日:2026年10月6日、次回確認:2026年11月6日)