この記事の対象:漁船漁業や養殖業で特定技能外国人の受入れを検討する漁業者・漁協の担当者、漁業分野の候補者を送り出す登録支援機関・人材会社
試験は漁業と養殖業の2区分で、1号と2号に分かれる
漁業分野の技能試験は、水産庁が試験実施要領を定め、農林水産省の公募で選ばれた民間事業者が実施します。区分は「漁業」と「養殖業」の2つで、それぞれに1号と2号があるため、要領は全部で4本です。
試験は筆記試験(2号は学科試験)と実技試験で行い、どちらもCBT方式またはペーパーテスト方式です。試験言語は日本語で、漢字にはひらがな、カタカナまたはふりがなが付きます。国内と国外の両方で実施されます。
試験の名称は、要領の本文では「漁業技能測定試験」です。大日本水産会の案内ページは、2026年8月から名称が「漁業特定技能評価試験」に変わったと説明しています。
要領には、問題数と試験時間の定めはありません。受ける回の問題数と時間は、実施機関の試験案内で確かめてください。
試験名の新旧と経過措置は、漁業の評価試験の名称変更のガイドで確認できます。
合格基準は区分ごとに違い、1号の養殖業は74%以上
合格は、筆記(学科)試験と実技試験の合計得点で決まります。基準の点は4つの試験で同じではありません。
1号の漁業は合計6割5分以上、1号の養殖業は合計7割4分以上です。同じ1号でも、養殖業のほうが9ポイント高く設定されています。2号は、漁業が6割5分以上、養殖業が5割4分を超える点で、1号の養殖業より低い基準です。
2号の試験の水準は、要領で「国内で7年以上の経験を持つ人であれば3割程度が合格する水準」とされています。1号の水準は、漁業が漁船漁業職種、養殖業が養殖業職種の技能実習評価試験(専門級)と同程度です。
どの試験も、実施方法に応じて基準を調整する必要がある場合は、実施機関が試験の前に水産庁へ報告する決まりです。受ける回の基準は、試験案内で確かめてください。
| 試験 | 合格基準(合計得点) | 水準 |
|---|---|---|
| 1号・漁業 | 6割5分以上 | 漁船漁業職種の技能実習評価試験(専門級)と同程度 |
| 1号・養殖業 | 7割4分以上 | 養殖業職種の技能実習評価試験(専門級)と同程度 |
| 2号・漁業 | 6割5分以上 | 国内で7年以上の漁船漁業の経験者の3割程度が合格する水準 |
| 2号・養殖業 | 5割4分を超える | 国内で7年以上の養殖業の経験者の3割程度が合格する水準 |
筆記は真偽式、実技は図やイラストから選ぶ多肢選択式
1号の筆記試験は、漁業全般(養殖業は養殖業全般)と安全衛生の知識、それに業務上必要な日本語能力を測ります。出題は原則として真偽式です。
1号の実技試験は、図やイラストを見て判断する形で、原則として多肢選択式です。漁業は漁具・漁労設備の適切な取扱いや漁獲物の選別、養殖業は養殖水産動植物の育成管理や養殖生産物の適切な取扱いが対象です。
2号の学科試験は、漁業全般(養殖業は養殖業全般)と安全衛生の知識を測り、原則として真偽式と多肢選択式で出題されます。日本語能力は学科の測定対象に書かれていません。2号の実技試験は、1号と同じく図やイラストから判断する多肢選択式です。
2号の受験資格と合格通知書の有効期限(受験日から10年)
受験できるのは、1号も2号も試験日に満17歳以上の人です。国内で受ける場合は、在留資格を持っていることも条件です。
2号を受けるには、さらに実務経験が2年以上必要です。漁業は、漁船法に基づく登録を受けた漁船で、操業を指揮監督する者を補佐する者、または作業員を指導しながら作業工程を管理する者としての経験です。
養殖業は、漁業法などに基づき行われる養殖業の現場で、養殖を管理する者を補佐する者、または作業員を指導しながら作業工程を管理する者としての経験です。どちらも、証明は漁業特定技能協議会が行います。
大日本水産会の案内ページによると、2号の在留申請までに日本語能力試験N3以上に合格していればよく、2号の技能試験を受ける時点でN3は求められません。1号は、日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験N4以上が日本語の条件です。
合否通知書の有効期限は、4つの試験すべてで受験日から10年です。1号の要領では、通知書は専用サイトで公開後5年間は本人が再取得でき、それ以降は有効期間内に本人が実施機関へメールで申し出た場合に限られます。
不正の手段で受験した人は、5年以内の受験禁止の対象になり得ます。合格しても在留資格が付与されるとは限りません。
- 候補者が試験日に満17歳以上か、国内で受けるなら在留資格があるか確かめた
- 漁業と養殖業のどちらの区分を受けるか、1号か2号かを決めた
- 区分ごとに合格基準の点が違うことを候補者に伝えた
- 2号を受けるなら、2年以上の実務経験について協議会の証明を取る手順を確かめた
- 問題数・時間・受験料・日程は、実施機関の試験案内で確かめた
よくある質問
漁業分野の特定技能1号試験の合格基準は何点ですか?
筆記試験と実技試験の合計得点で、漁業は6割5分以上、養殖業は7割4分以上です。
2号の合格基準は1号と同じですか?
同じではありません。2号は、漁業が合計6割5分以上、養殖業が合計5割4分を超える点です。
2号の試験を受けるには何が必要ですか?
試験日に満17歳以上で、漁業または養殖業の現場での実務経験が2年以上あり、その証明を漁業特定技能協議会から受けることが必要です。
合格通知書に有効期限はありますか?
受験日から10年です。1号の要領では、公開後5年間は専用サイトから本人が再取得でき、それ以降は有効期間内に本人が実施機関へ申し出た場合に限られます。
試験は何問で、何分ですか?
試験実施要領には定めがありません。受ける回の問題数と時間は、実施機関の試験案内で確かめてください。
参照した公的一次資料
- 水産庁「漁業分野 特定技能1号 技能測定試験 試験実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月9日、次回確認:2027年2月7日)
- 水産庁「1号漁業技能測定試験(養殖業)」試験実施要領(令和6年2月一部改正、出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)
- 水産庁「2号漁業技能測定試験(漁業)」試験実施要領(令和6年2月一部改正、出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)
- 水産庁「2号漁業技能測定試験(養殖業)」試験実施要領(出入国在留管理庁掲載)(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)
- 大日本水産会「在留資格「特定技能」漁業特定技能評価試験について」(確認日:2026年10月26日、次回確認:2027年2月26日)