この記事の対象:ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れる、清掃会社の経営者・営業所長・総務担当者

登録は営業所ごと・都道府県知事・有効期間6年

ビルクリーニング分野の受入れ条件にある登録は、建築物衛生法が定める営業所単位の登録です。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)第12条の2第1項は、建築物の清掃などを行う事業を営む者が、事業の区分に従い、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができると定めています。区分は8つあり、第1号が建築物における清掃を行う事業、第8号が清掃・空気環境の調整と測定・給水と排水の管理・飲料水の水質検査を総合的に行う事業です。

同条第4項により、登録の有効期間は6年です。法の文言は「登録を受けることができる」ですが、ビルクリーニング分野の運用要領は、受入れ機関が第1号の建築物清掃業か第8号の建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所であることを条件にしています。登録は営業所ごとなので、外国人が働く営業所それぞれで確認します。

この記事は、第1号(建築物清掃業)と第8号(総合管理業)の登録基準と申請書類を扱います。他の区分(空気環境測定業、ダクト清掃業など)の基準は扱いません。

登録の基本(建築物衛生法第12条の2〜第12条の4)
項目内容
登録の単位営業所ごと
登録先営業所の所在地を管轄する都道府県知事
有効期間6年
登録後の表示第1号は「登録建築物清掃業」、第8号は「登録建築物環境衛生総合管理業」と表示できる
基準に適合しなくなったとき都道府県知事は登録を取り消すことができる

建築物清掃業(第1号)の登録基準:機械器具・監督者・研修

施行規則第25条が、機械器具、清掃作業の監督者、従事者の研修、維持管理の方法の4つを基準にしています。

第25条第1号は、真空掃除機と床みがき機を有することを求めています。第2号は、清掃作業の監督者の資格を定めています。

ビルクリーニング職種の1級の技能検定に合格した人、または免状の交付を受けている人であることが前提です。そのうえで、登録を受けた者が行う監督者講習を修了して6年以内か、再講習を修了して6年以内であることが必要です。

第3号は、清掃作業に従事する人が、次の要件を満たす研修を修了していることを求めています。要件は4つです。従事者のすべてが受講できること。

登録を受けようとする者か、厚生労働大臣の登録を受けた者が実施主体となり、定期的に行うこと。内容が、清掃用機械器具・資材の使い方と清掃作業の安全衛生であること。指導する人が、その内容を指導するのに適当と認められる人であること。

第4号は、清掃作業と機械器具の維持管理の方法が、厚生労働大臣が別に定める基準に適合していることを求めています。基準の中身は、この記事では扱いません。

建築物清掃業の登録基準(施行規則第25条)
号基準内容の要点
第1号機械器具真空掃除機・床みがき機を有する
第2号監督者ビルクリーニング1級の技能検定の合格者などで、監督者講習の修了から6年以内(再講習の場合も修了から6年以内)
第3号従事者の研修従事者全員が受講でき、定期的に行われ、機械器具の使い方と安全衛生を内容とする研修を修了している
第4号維持管理の方法厚生労働大臣が別に定める基準に適合している
  • 営業所に真空掃除機と床みがき機がある
  • 清掃作業の監督者の合格証または免状と、講習修了日(6年以内)を確認した
  • 外国人を含む従事者全員が研修を受講できる体制になっている
  • 研修の実施主体が自社または登録を受けた者になっている

総合管理業(第8号)は設備管理の監督者と測定者も必要

第8号の基準は、清掃の基準に加えて、設備管理と測定の体制を求めています。

施行規則第30条は、機械器具として、真空掃除機、床みがき機に加え、空気環境の測定器および器具と、残留塩素測定器を有することを求めています。人については、業務全般を統括する人、清掃作業の監督者(第25条第2号と同じ要件)、空気環境の調整・給水と排水の管理・飲料水の水質検査の監督者、空気環境の測定を行う人の4つの役割を定めています。

設備管理の監督者は、ビル設備管理職種の技能検定の合格者か免状の交付を受けている人で、登録を受けた者が行う講習を修了して6年を経過しない人などです。従事者の研修は、清掃の従事者に加えて、空気環境の調整、給水・排水の管理、飲料水の水質検査に従事する人にも定められています。

清掃だけを行う営業所は第1号の基準で足ります。設備管理も含めて請け負う営業所かどうかは、どの区分で登録しているかで決まります。

建築物清掃業(第1号)と総合管理業(第8号)の主な違い(施行規則第25条・第30条)
項目第1号 建築物清掃業第8号 建築物環境衛生総合管理業
機械器具真空掃除機・床みがき機左に加え、空気環境の測定器および器具・残留塩素測定器
業務全般を統括する人規定なし免状の交付を受け、統括者の講習を修了して6年以内などの人
清掃作業の監督者必要必要(第25条第2号と同じ要件)
設備管理の監督者規定なしビル設備管理の技能検定の合格者、または免状の交付を受けた人で、講習を修了して6年以内などの人
空気環境の測定を行う人規定なし必要(第26条第2号の要件)

申請書類と、変更・廃止の届出は30日以内

申請は営業所ごとに都道府県知事へ行い、登録後の変更は30日以内に届け出ます。

施行規則第31条第1項により、申請書には、氏名または名称と住所(法人は代表者の氏名と住所)、登録に係る営業所の名称と所在地と責任者の氏名、登録を受けようとする事業の区分を記載します。第1号の事業では、これに次の4つの書面を添付します。清掃作業に用いる機械器具の概要、監督者の氏名と、その人が第25条第2号の者であることを証する書類、従事者の研修の実施状況、清掃作業と機械器具の維持管理の方法の4つです。

登録後は、第33条により、名称・住所・代表者、営業所の名称・所在地・責任者、事業に用いる主要な機械器具、監督者などを記載した書面の事項に変更があったとき、または事業を廃止したときに、その日から30日以内に都道府県知事へ届け出ます。機械器具や書面の事項を変えたときは、変更後も基準に適合することを証する書類を添付します。

監督者の講習修了から6年の期限や、監督者の交代は、基準に直結します。登録営業所は、基準に適合しなくなったときに登録を取り消されることがあります(法第12条の4)。受入れ前に、監督者の期限と研修の実施記録をまとめて確認しておくと、営業所の登録を維持しやすくなります。

特定技能の対象業務や試験の全体像は、ビルクリーニング分野のガイドで確認できます。

  1. 区分を決める

    清掃だけなら第1号、設備管理と測定も含めるなら第8号で登録しているかを確認します。

  2. 監督者と研修を確認する

    監督者の資格と講習修了日(6年以内)、従事者研修の実施記録を営業所ごとにそろえます。

  3. 申請書類をそろえる

    機械器具の概要、監督者の氏名と証明書類、研修の実施状況、維持管理の方法を書面にして、都道府県知事に提出します。

  4. 変更は30日以内に届ける

    営業所の名称・責任者・主要な機械器具・監督者などが変わったら、変更後も基準に適合することを示す書類を付けて届け出ます。

よくある質問

登録は会社単位で1回受ければよいですか?

法第12条の2第1項は、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けると定めています。外国人が働く営業所ごとに、登録の有無を確認します。

登録の有効期間はどのくらいですか?

法第12条の2第4項により、6年です。更新の手続きの詳細は、営業所の所在地の都道府県に確認してください。

清掃作業の監督者は誰がなれますか?

施行規則第25条第2号は、ビルクリーニング職種の1級の技能検定に合格した人、または免状の交付を受けている人を挙げています。そのうえで、登録を受けた者が行う監督者講習を修了して6年以内であることなどが必要です。

従事者の研修は外国人も対象ですか?

第25条第3号は、清掃作業に従事する者のすべてが受講できる研修を求めています。研修の言語や教材の選び方は条文に書かれていないため、実施主体で決めます。

機械器具を入れ替えたら届出が必要ですか?

施行規則第33条は、事業の用に供する主要な機械器具に変更があったとき、30日以内に都道府県知事へ届け出ると定めています。どの機械器具が主要に当たるかは、都道府県に確認してください。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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