この記事の対象:特定技能外国人の在留申請を自社で進めたい受入れ企業の総務・人事担当者、登録支援機関の職員
本人出頭が原則で、申請等取次制度はその例外
在留期間更新などの在留申請は、地方出入国在留管理局への本人の出頭が原則です。取次の制度は、その例外を定めたものです。
出入国在留管理庁の「申請等取次制度」のページは、在留期間更新許可申請などの在留諸申請や在留カードの記載事項変更の手続について、地方出入国在留管理局への本人出頭を原則としていると説明しています。例外として、法定代理人が申請するほか、地方出入国在留管理局長が適当と認める者が、外国人本人の申請等を取り次ぐことを認めています。
企業の職員が取次者になるには、本人の依頼を受けるだけでは足りず、地方出入国在留管理局長から取次者としての承認を受けている必要があります。承認の条件は後の節で扱います。
更新・変更の申請を出せる人:本人、法定代理人、承認を受けた取次者など
在留期間更新許可申請と在留資格変更許可申請の申請提出者は、入管庁の手続ページで同じ形で示されています。
どちらのページも、申請提出者として申請人本人、本人の法定代理人、取次者を挙げています。取次者は、地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けた人で、申請人から依頼を受けたものに限られます。
申請人が16歳未満の場合や、疾病その他の事由で自ら出頭できない場合は、親族や同居者などで地方出入国在留管理局長が適当と認めるものも出せます。ページは、仕事の多忙や通勤・通学は「その他の事由」に当たらないと明記しています。
更新の書類や期限は、特定技能の在留期間更新のガイドで確認できます。
| 提出できる人 | 条件 |
|---|---|
| 申請人本人 | 日本での滞在を希望する外国人本人 |
| 法定代理人 | 申請人本人の法定代理人 |
| 承認を受けた企業・機関の職員など | 申請人が経営している機関または雇用されている機関の職員、研修・教育を受けている機関の職員、監理を行う団体、外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員のうち、承認を受けて本人から依頼を受けたもの |
| 届出済みの弁護士・行政書士 | 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、本人から依頼を受けたもの |
| 親族・同居者など | 本人が16歳未満または疾病などで出頭できない場合に、地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの |
認定証明書交付申請では、受入れ機関の職員は代理人として出せる
海外から呼び寄せる場合の在留資格認定証明書交付申請は、更新や変更とは申請提出者の定め方が違います。
入管庁の手続ページは、認定証明書交付申請の申請提出者を、申請人本人、外国人を受け入れようとする機関の職員その他法務省令で定める代理人、申請取次者等の3つに分けています。申請取次者等には、公益法人の職員、届出済みの弁護士・行政書士、法定代理人が含まれ、申請人または受け入れ機関の職員が日本に滞在している場合に限られます。
取次の申出のページは、登録支援機関の職員以外の受入れ機関等の職員は、認定証明書交付申請を代理人として行えるため、取次ぎは認められないとしています。登録支援機関の職員は、この点で別の扱いです。
取次ができる対象の外国人と、取次範囲の手続
承認を受けた職員が取り次げるのは、自分の所属する機関に関係する外国人の申請です。
出頭を免ぜられる外国人は、原則として、その機関に受け入れられている、または受け入れられようとしている外国人と、その扶養を受けて同居する配偶者や子です。登録支援機関の登録を受けている機関では、特定技能所属機関から支援計画の全部の実施を委託されている外国人も加わります。支援を行っている人と、これから行おうとしている人の両方が対象です。
同ページは、全部の実施が委託されていれば足り、現に支援を始めていなくても差し支えないとしています。取次範囲には、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、資格外活動許可申請、再入国許可申請、在留カードの再交付申請、住居地以外の記載事項の変更届出、在留カードの受領などが並びます。
申請の提出先は、外国人の住居地、または外国人が受け入れられている機関の職員の勤務地を管轄する地方出入国在留管理局や出張所です。
承認の条件と必要書類:信用と、入国・在留手続の知識
取次者の承認は、本人の信用と手続の知識の両方を満たす場合に受けられます。
入管庁の承認手続のページは、承認を受ける条件を全て満たすことを求めています。1つ目は、入管法違反などがなく信用できる人であり、所属する機関も同様に信用できることです。2つ目は、出入国在留管理行政に関する研修会等への参加などの経歴から、入国・在留手続の知識があると認められることです。
派遣職員や事務補佐員等でも、外国人を雇用する機関で恒常的に業務を行い、その機関の指揮命令に服しているなどの要件を満たせば、承認を受ける「職員」として扱われます。
知識の疎明は、研修会の受講証明書で行うのが原則で、受講証明書は原則として発行から3年以内のものを出します。同じ企業に問題なく取次の実績がある取次者がいる場合は、その取次者から指導を受けたことなどを説明する機関の文書でも、知識を有するものとして扱われます。承認後に交付される申請等取次者証明書の有効期間は3年間です(取次者が在留資格を持つ外国人の場合は、在留期間内または3年後のいずれか早い日まで)。
電子届出システムの利用申出での承認条件は、電子届出システムの利用申出のガイドにも書いてあります。
- 申請等取次申出書(別記第1号様式)
- 写真2葉(3.0cm×2.4cm)と、承認を受ける人の経歴書・在職証明書
- 入国・在留手続の知識の疎明資料(研修の受講証明書など)
- 法人の登記事項証明書(個人は住民票の写し)と本人確認書類の写し
取次でできないこと:署名や記載内容の訂正、書類作成の請負
取次は、申請書や資料を提出する事実行為に限られます。
入管庁の承認手続のページは、取次者が申請人・届出人として署名したり、記載内容を直接訂正したりすることはできないと注意しています。取次者が申請を取り次いだ場合でも、事情の聴取が必要な場合や在留状況に問題がある場合などは、申請人本人の出頭を求められることがあります。
同ページは、弁護士・行政書士以外の人が、官公署に出す申請書類の作成を報酬を得て業として行うと、行政書士法違反にあたるおそれがあるとも注意しています。個別の事案の可否は、管轄の地方出入国在留管理局で確認してください。
支援に伴う役所への同行は、公的手続への同行支援のガイドで確認できます。
よくある質問
在留期間更新の申請は、会社の職員が代わりに出せますか?
入管庁の手続ページでは、地方出入国在留管理局長から取次者としての承認を受けた職員が、本人の依頼を受けて申請できるとされています。承認を受けていない職員は、取次者として提出できません。
取次者の承認には何が必要ですか?
入管法違反などがなく信用できること、所属機関も信用できること、研修会の受講などから入国・在留手続の知識があると認められることが条件です。研修の受講証明書は原則、発行から3年以内のものを出します。
認定証明書の交付申請にも承認は必要ですか?
受入れ機関等の職員は、登録支援機関の職員を除き、認定証明書交付申請を代理人として行えるため、取次ぎは認められないとされています。登録支援機関の職員は、取次ぎが認められる範囲に認定証明書交付申請が含まれています。
取次者が本人に代わって書類に署名してよいですか?
できません。取次は申請書や資料の提出などの事実行為に限られ、申請人・届出人としての署名や記載内容の直接の訂正はできないとされています。
参照した公的一次資料
- 出入国在留管理庁「申請等取次制度」(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」(確認日:2026年10月12日、次回確認:2027年1月12日)
- 出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」(申請等取次の申出)(確認日:2026年10月24日、次回確認:2027年1月27日)
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(確認日:2026年10月20日、次回確認:2026年11月19日)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(確認日:2026年10月20日、次回確認:2026年11月19日)
- 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(確認日:2026年8月2日、次回確認:2026年11月2日)