この記事の対象:育成就労の受入れを検討する企業の担当者、監理支援機関の許可を受ける(受けた)団体の担当者

地域協議会とは:国の機関が組織できる地域ごとの協議の場

地域協議会は、育成就労に関する事務を所掌する国の機関が、地方公共団体などと情報を共有する地域ごとの場です。

育成就労法第56条は、地域において育成就労に関する事務を所掌する国の機関が、その機関と地方公共団体の機関その他の関係機関で構成する協議会を「組織することができる」と定めています。組織は義務ではなく、できる規定です。

運用要領(令和8年8月版)の第7章第6節は、受入れ地域ごとに課題が異なるため、各地域の出入国在留管理機関、労働基準監督機関、職業安定機関などの国の機関と、地方公共団体の機関、外国人育成就労機構などが連携し、地域レベルで情報を共有する仕組みを作ることが目的だと説明しています。

構成員:国の機関・都道府県・機構

構成員の中心は国の地方機関と都道府県で、必要に応じて機構などを加えられます。

法第56条第2項は、地域協議会が必要と認めるときは、機構その他の地域協議会が必要と認める者を構成員に加えられると定めています。運用要領は、構成員として想定される範囲を次の表のように示しています。

地方公共団体の機関については、監理支援機関となる法人(事業協同組合等)の許認可権者であるという観点と、都道府県における国際協力の推進の観点から、主に都道府県が想定されると書かれています。

地域協議会の構成員として想定される機関(運用要領第7章第6節)
区分想定される機関運用要領の説明
国の機関各地域の出入国在留管理機関、労働基準監督機関、職業安定機関、分野所管行政機関の出先機関など組織する主体であり、構成員としても想定される
地方公共団体主に都道府県監理支援機関となる法人の許認可権者であること、国際協力の推進の観点から
機構その他外国人育成就労機構など、地域協議会が必要と認める者法第56条第2項により加えることができる

担う業務の例:取組方針の協議・データの共有・出先機関との連携

運用要領は、地域協議会を情報共有の結節点と、不正防止と外国人保護の取組方針を確認する場と位置づけています。

法第56条第3項は、構成員が相互に連絡を図って、育成就労の適正な実施と育成就労外国人の保護に有用な情報を共有し、連携を緊密にし、地域の実情を踏まえた取組について協議を行うものとしています。

運用要領は担う業務の例として、育成就労の適正化に向けた地域での取組方針の協議・決定、地域における育成就労の現状などのデータや制度運用上の留意点の把握・共有、分野所管行政機関の出先機関や都道府県などとの連携の確保・強化の3つを挙げています。例示であり、これ以外の業務を排除する書き方ではありません。

  • 地域協議会は国の機関が「組織できる」任意の場であると理解する
  • 想定される役割は、情報共有、取組方針の確認、出先機関や都道府県との連携の3点
  • 地域協議会の組織・運営の細目は、法第56条第5項により地域協議会自身が定める

受入れ企業と監理支援機関は参画しない前提

運用要領は、育成就労実施者や監理支援機関などの事業者が地域協議会に参画することは想定されていないと書いています。

理由として運用要領は、地域協議会が地域レベルでの行政機関相互間の情報共有の仕組みであり、不正事案や問題事案についての協議も行うことが想定されているためだと説明しています。

また、法第56条第4項は、地域協議会の事務に従事する者または従事していた者が、正当な理由なく、事務に関して知った秘密を漏らし、または盗用してはならないと定めています。企業や監理支援機関が参加する場を探すときは、業種ごとに別の枠組みがある分野別協議会を確認します。

分野ごとの協議会(加入が求められる場合がある)は、分野別協議会の比較のガイドで確認できます。

法第55条との関係:情報提供と他の法律の措置の要求

第7章には、地域協議会の1つ前の節に、国の機関どうしの連携を定めた法第55条があります。

法第55条は、出入国在留管理庁長官と厚生労働大臣が、育成就労の適正な実施と育成就労外国人の保護のために必要と認めるとき、関係行政機関の長に情報を提供できるとしています。また、他の法律に基づく措置を速やかに実施する必要があると認めるときは、その事務を所掌する大臣にその実施を求め、実施状況の報告を求めることができます。

運用要領は、法第55条第1項が個人情報保護法第69条第1項の「法令に基づく場合」に当たり、関係行政機関の長への個人情報の提供が可能とされていると整理しています。これは行政機関どうしの規定で、企業が行う手続ではありません。

よくある質問

地域協議会は必ず設置されますか?

法第56条は、国の機関が地域協議会を「組織することができる」と定めており、組織は任意です。運用要領には設置の有無や範囲の定めはなく、各地域の国の機関が組織するかどうかを決める形です。

受入れ企業や監理支援機関は地域協議会に参加できますか?

運用要領は、育成就労実施者や監理支援機関などの事業者が地域協議会に参画することは想定されていないと書いています。不正事案や問題事案の協議も行うことが想定されているためです。

地域協議会と分野別協議会は同じものですか?

別の仕組みです。地域協議会は法第56条に基づく、国の機関と地方公共団体などによる地域ごとの協議の場で、分野別協議会は法第54条に基づく分野ごとの協議会です(運用要領は第53条とあわせて1つの節にしています)。

地域協議会で話し合われた内容は公開されますか?

法第56条第4項は、事務に従事する者などの秘密保持義務を定めています。公開の方法は運用要領には書かれておらず、組織・運営の細目は地域協議会自身が定めます。

参照した公的一次資料

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