この記事の対象:特定技能や育成就労の受入れを予定する企業の人事担当者、登録支援機関・監理支援機関の担当者、採用時期を決める人

超過が見込まれると止まるもの:交付と認定の一時停止

1号特定技能は在留資格認定証明書の交付、育成就労は育成就労計画の認定が、それぞれ一時的に停止されます。

入管庁の育成就労制度Q&A(Q21)によると、1号特定技能外国人または育成就労外国人の在留者数が、設定された受入れ見込数(受入れ上限数)を超えることが見込まれる場合、1号特定技能では在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置を、育成就労では育成就労計画の一時的な認定の停止措置を講じるとされています。

この停止が始まった分野では、すでに雇用契約を締結している場合などであっても、原則として、認定証明書の交付や計画の認定を受けられません。新たに1号特定技能外国人または育成就労外国人として入国することもできません。採用が決まっていることは、停止の例外になりません。

分野ごとの見込数は、育成就労の分野別受入れ見込数のガイドで確認できます。

変更許可と更新許可:増える申請だけが止まる

Q&A(Q22)は、在留者数が増える要因になる許可は原則行わず、更新許可は通常どおり審査するとしています。

Q22は、交付が停止された場合に、「特定技能1号」または「育成就労」への在留資格変更許可申請と、これらの在留資格の在留期間更新許可申請も不許可になるのかを尋ねています。回答によると、停止の対象として法律に規定されているのは認定証明書の交付と育成就労計画の認定です。ただし、停止は「分野において必要とされる人材が確保されたと認めるとき」に行う措置なので、在留者数の増加要因となるような在留許可も原則として行わないとされています。

一方、在留期間更新許可申請は、在留者数の増加要因にならないため、原則として通常どおり審査します。すでに在留している人が在留を続けるための更新と、新たに在留者数を増やす変更や入国とで、扱いが分かれます。

停止中の申請の扱い(入管庁Q&A Q21・Q22)
申請の種類停止中の扱い
在留資格認定証明書の交付(1号特定技能)一時的に停止。雇用契約を締結済みでも原則受けられない
育成就労計画の認定(育成就労)一時的に停止。原則受けられない
在留資格変更許可(特定技能1号・育成就労へ)在留者数の増加要因となるため、原則として行わない(運用は分野・元の在留資格で異なる。外食業の例は下の節)
在留期間更新許可増加要因にならないため、原則として通常どおり審査

再開と見直し:所管省庁の要請と、5年ごとの設定

再開は、分野所管省庁から人材不足を理由に要請があった場合に、法務大臣または主務大臣が措置をとれる仕組みです。

Q&A(Q23)は、停止後の再開について、分野所管省庁から再び当該分野で必要とされる人材が不足するとして再開の要請があった場合に、認定証明書の交付は法務大臣が、育成就労計画の認定は主務大臣が、それぞれ再開措置をとることができるとしています。再開の日や時期の目安は、Q&Aに書かれていません。

見込数の見直しについて、Q&A(Q24)は、受入れ見込数を5年ごとに設定し、大きな経済情勢の変化が生じない限りは受入れの上限として運用するとしています。基本方針も同じ趣旨で、見込数は大きな経済情勢の変化がない限り、受入れの上限として運用すると示しています。見直しの手順や数値の条件までは、Q&Aに書かれていません。

停止と再開を求める側は、分野別運用方針の別紙に書かれています。2026年10月27日に育成就労の17分野の別紙を確認したところ、いずれの別紙も、所管の大臣が、法務大臣及び厚生労働大臣に対し、一時的な育成就労認定の停止と、その再開の措置を求めると定めていました。航空と自動車運送業には育成就労産業分野の設定がありません。

育成就労17分野の別紙にある、認定の停止・再開を求める所管の大臣
所管の大臣分野(別紙)停止・再開の求め先
厚生労働大臣介護、ビルクリーニング、リネンサプライ法務大臣及び厚生労働大臣
経済産業大臣工業製品製造業法務大臣及び厚生労働大臣
国土交通大臣建設、造船・舶用工業、自動車整備、宿泊、鉄道、物流倉庫法務大臣及び厚生労働大臣
農林水産大臣農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業法務大臣及び厚生労働大臣
環境大臣資源循環法務大臣及び厚生労働大臣

実際の運用例:外食業分野の停止措置と申請区分ごとの扱い

外食業分野では、令和8年4月13日が、認定証明書の一時的な交付の停止措置の開始日とされています。

入管庁の外食業分野の審査状況のページ(2026年10月19日掲載)は、停止措置の開始日を令和8年4月13日と記しています。変更許可申請のうち、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)や特定活動(特定技能1号移行準備)からの申請は、受付日が令和8年9月30日までの分を、外食業分野内の転職に伴う申請は全てを、通常どおり審査して許可しているとされています。

これら以外の在留資格からの変更申請は、4月13日以降に受理した分が原則不許可です。在留期間更新許可申請は、通常どおり順次審査が終わり次第、許可しているとされています。

更新が通常どおりに扱われる点は、Q&A(Q22)の説明と同じ向きです。変更許可は、元の在留資格によって扱いが分かれます。

ただし掲載日時点の内容で、更新される場合があります。ほかの分野で停止が行われた場合の具体的な扱いは、その分野の案内で確認する必要があります。

外食業分野の申請区分ごとの処理状況は、外食業の特定技能のガイドで確認できます。

受入れの時期を決める前に確認すること

停止が始まると、採用が決まっていても入国できません。分野の在留者数と見込数を、採用の計画と並べて確認します。

自社の分野の見込数は、分野別運用方針の別紙に書かれています。特定技能1号の在留者数は、入管庁が公表する分野別の在留者数の資料で確認できます。見込数に近い分野では、採用の時期を後ろにずらせるかを事前に検討しておくと、停止の影響を見積もりやすくなります。

停止の有無や個別の申請の扱いは、入管庁や所管省庁の最新の案内で確認します。本ページは、Q&Aに書かれた一般的な扱いを整理したもので、個別の許可を断定するものではありません。

特定技能1号の分野別の在留者数と充足率は、分野別充足率のガイドで確認できます。

  • 自社の分野の受入れ見込数と対象期間を、分野別運用方針の別紙で確認した
  • 分野の在留者数が、見込数にどのくらい近いかを入管庁の資料で確認した
  • 採用予定者が、新規の入国か、在留資格の変更か、更新かを区別した
  • 停止が始まった場合に、採用時期をずらせるか、受入れ人数を調整できるかを検討した
  • 停止や再開の最新の案内を、入管庁と所管省庁のページで確認する手順を決めた

よくある質問

受入れ見込数を超えると、すでに雇用契約を結んだ外国人も入国できませんか?

入管庁のQ&A(Q21)は、停止が始まった分野では、すでに雇用契約を締結している場合などであっても、原則として認定証明書の交付や計画の認定を受けられず、新たに入国できないとしています。

停止中でも、在留期間の更新はできますか?

Q&A(Q22)は、更新許可申請は在留者数の増加要因にならないため、原則として通常どおり審査するとしています。一方、変更許可は在留者数の増加要因となるため、原則として行わないとされています。

停止はいつ再開されますか?

Q&A(Q23)は、分野所管省庁から人材不足を理由に再開の要請があった場合に、法務大臣または主務大臣が再開措置をとれるとしています。再開の日は書かれていないため、最新の案内で確認します。

受入れ見込数は途中で変わりますか?

Q&A(Q24)は、見込数を5年ごとに設定し、大きな経済情勢の変化が生じない限りは上限として運用するとしています。

参照した公的一次資料

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次に確認すること

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試算ツールは特定技能1号の費用が対象です。育成就労から特定技能1号へ移った後の支援費は「1号特定技能外国人支援の体制」欄に、見積が手元にある費目は「費目別の確認状況」欄に入力します。育成就労の監理支援費や送出し関連の費用は入力欄がありません。